「VNA(ベクトルネットワークアナライザ)」のコネクタは、測定精度・周波数特性・再現性に大きく影響する重要な要素です。以下に、VNAで一般的に使用される高周波コネクタの種類と特徴を整理してご紹介します。


🔌 VNAに使われる主なコネクタ

コネクタ形式 対応周波数 特徴・用途
SMA(SubMiniature A) ~18GHz(高品質で~26.5GHz) 最も汎用的なRFコネクタ。小型・高信頼で、ラボから量産機器まで広く使用。
3.5mm ~26.5GHz SMAと互換あり。精密測定向けで、SMAより寸法精度が高い。
2.92mm(K型) ~40GHz 3.5mm/SMAと接続可能。精密で高周波対応。VNA校正やミリ波測定に使用。
2.4mm ~50GHz K型よりさらに高周波。主にミリ波・研究用途。
1.85mm(V型) ~67GHz ミリ波帯での標準。高精度・高価格。VNAハイエンドモデルで採用。
N型 ~11GHz(精密型で18GHz) 耐久性が高く、設備測定や屋外用にも。サイズが大きめ。
7mm(APC-7) ~18GHz 同軸で最も高精度。無性別・フラットフェイスで校正精度が高い。

🔧 補足情報

  • ポート数が2ポート以上のVNAでは、全ポートに同じコネクタが使用されるのが一般的

  • 精密測定用校正キット(Cal Kit)のコネクタ仕様も、測定精度に直結します

  • 周波数帯によって専用アダプタや変換コネクタを使用することもありますが、できるだけ同一コネクタ系で統一する方が望ましいです


✅ T&M取扱製品例とコネクタ仕様

製品名 対応周波数 標準コネクタ
SIGLENT SNA5000Aシリーズ 最大26.5GHz 3.5mmメス(N型変換アダプタ付き)
SIGLENT SVA1000Xシリーズ 最大3.2GHz N型
CEYEAR製 VNA 最大67GHz 2.92mm / 2.4mm / 1.85mmなどモデルにより選択可能