DANLは、スペクトラムアナライザが測定できる最小の信号レベル(ノイズフロア)を表します。このレベルは、RBW(Resolution Bandwidth、分解能帯域幅)によって変化します。スペクトラムアナライザ(スペアナ)におけるRBWとは、入力信号の周波数成分をどれだけ細かく分離して表示できるかの指標です。RBWは、スペアナ内部のIFバンドパスフィルターの帯域幅で表され、この帯域幅が狭いほど、より細かい周波数成分を分離して表示できます。しかし、RBWを狭くすると、測定速度が遅くなるというトレードオフの関係があります
 

DANLとRBWの関係は、以下の式で表されます。

 
表示ノイズレベル = DANL + 10 * log10(RBW / 1 [Hz]) [dBm]

例)DANL(表示平均雑音レベル)が-160dBm/Hz 、RBW(分解能帯域幅)が10kHzの設定の場合では、その帯域幅内のノイズ電力は、1 Hz あたりのノイズ電力に RBW を掛けることで求められます。

この式に、DANL = -160dBm/Hz と RBW = 10kHz = 10000Hz を代入すると、
 
表示ノイズレベル = -160 + 10 * log10(10000) = -160 + 10 * 4 = -160 + 40 = -120 [dBm]

となります。

 
したがって、DANL(表示平均雑音レベル)が-160dBm/Hz の場合、RBW(分解能帯域幅)が10kHz設定のスペクトラムアナライザでは、表示されるノイズレベルは-120dBmになります。