
差動伝送路におけるScd11とScd22は、それぞれ入力と出力の反射係数を表します。Scd11は入力ポートでの信号の反射率、Scd22は出力ポートでの信号の反射率を意味します。これらは、差動伝送路のインピーダンス整合状態や信号の損失を評価するために使用されます。
詳細:
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Scd11 (入力反射係数):
- 差動伝送路の入力ポート(通常はポート1)に入力された信号が、どれだけ反射されて戻ってくるかを数値で表したものです。
- Scd11の値が大きいほど、入力での反射が大きく、信号の損失が大きいことを意味します。
- Scd11が0に近いほど、インピーダンス整合が良く、信号が効率的に伝送されていることを示します.
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Scd22 (出力反射係数):
- 差動伝送路の出力ポート(通常はポート2)から出力された信号が、どれだけ反射されて戻ってくるかを数値で表したものです。
- Scd22の値が大きいほど、出力での反射が大きく、信号の損失が大きいことを意味します。
- Scd22が0に近いほど、インピーダンス整合が良く、信号が効率的に伝送されていることを示します.
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Sパラメータ (Scパラメータ):
- Sパラメータは、高周波回路や伝送路の特性を評価するための指標です。
- Scd11やScd22は、Sパラメータの一種で、特に差動伝送路における反射特性を表します.
- Sパラメータは、入力信号と出力信号の比率を複素数で表し、振幅と位相の両方を考慮に入れます.
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差動伝送路:
- 2本の導体で信号を伝送する方式で、ノイズに強く、高速伝送に適しています.
- Scd11やScd22は、差動伝送路の性能評価において重要な役割を果たします.
- 2本の導体で信号を伝送する方式で、ノイズに強く、高速伝送に適しています.
例:
例えば、Scd11が-20dBの場合、入力された信号の約10%が反射されていることを意味します。Scd11が-30dBの場合、反射は約1%となり、インピーダンス整合がより良好であることを示します.
Sパラメータの応用:
Sパラメータは、回路設計やシミュレーション、測定など、様々な場面で利用されます。Sパラメータを理解することで、回路の性能を最適化し、より高いパフォーマンスを実現することができます.
参考資料:
- T&Mコーポレーション「Sパラメータの基礎」:[INDEX:1] T&Mコーポレーション