
エレクトロメータは、非常に小さな電流や電荷を正確に測定できる高感度な測定器です。特に、半導体デバイスの評価や物性研究において重要な役割を果たします。
エレクトロメータの原理
エレクトロメータの基本的な原理は、高入力インピーダンスのアンプを利用することです。これにより、測定対象の回路から電流をほとんど引き込むことなく、電圧を測定できます。測定される電流は、この高入力インピーダンスのアンプの入力端子に流れる微小な電流を電圧に変換して測定します。
半導体測定における役割
半導体測定では、エレクトロメータは主に以下の測定に使用されます。
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リーク電流の測定: 半導体デバイスの絶縁破壊や欠陥を評価するために、非常に小さなリーク電流を測定します。
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キャパシタンス-電圧 (C-V) 測定: MOSキャパシタやダイオードなどのデバイスのキャパシタンスを測定し、界面準位密度やキャリア濃度などを評価します。
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抵抗率の測定: 半導体材料の抵抗率を測定するために、微小な電流を流して電圧を測定します。
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電荷の測定: トランジスタのゲート電荷や電荷蓄積の測定に使用されます。
選択のポイント
半導体測定にエレクトロメータを選択する際は、以下のポイントを考慮する必要があります。
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感度: 測定したい電流の最小値に対応できる感度が必要です。
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入力インピーダンス: 測定対象に影響を与えないように、十分高い入力インピーダンスを持つモデルを選びます。
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測定機能: 電流、電圧、抵抗、電荷など、必要な測定機能が搭載されているか確認します。
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ノイズ: 微小な電流を測定するため、外部ノイズや内部ノイズの影響を最小限に抑える必要があります。