SIGLENT(シグレント)ベクトル信号発生器 SSG6082A-V シリーズ

HAPS (High Altitude Platform Station)は、成層圏(高度20〜50km)を飛行する無人航空機などに携帯電話の基地局を搭載し、地上に通信サービスを提供するシステムです。通信方式と周波数帯は、地上のユーザー端末との通信(サービスリンク)と、地上のゲートウェイ局とHAPS本体を結ぶ通信(フィーダーリンク)で異なります。


 

変調方式

 

HAPSの変調方式は、地上の携帯電話ネットワークと連携するため、4Gや5Gの標準的な変調方式が採用されています。例えば、OFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing)やSC-FDMA(Single-Carrier Frequency-Division Multiple Access)などが使われます。これらの方式は、多重波による干渉に強く、高速大容量通信に適しているため、HAPSの通信にも有効です。


 

周波数帯

 

HAPSの周波数帯は、国際的な議論を経て、世界無線通信会議(WRC)で決定されています。用途に応じて複数の周波数帯が割り当てられています。

 

サービスリンク (HAPS ↔ ユーザー端末)

 

地上のスマートフォンなどの既存端末との直接通信に使われるため、地上の携帯電話で利用されている周波数帯が割り当てられています。これにより、特別な端末を用意することなく、HAPSによる通信が可能になります。

  • 700〜900MHz帯: 比較的低い周波数帯で、広範囲をカバーするのに適しています。

  • 1.7GHz帯、2.6GHz帯: 4Gや5Gでも使われる帯域で、高速通信が可能です。

 

フィーダーリンク (HAPS ↔ 地上ゲートウェイ局)

 

HAPS本体と地上のゲートウェイ局との間で、大量のデータを伝送するために使われます。高速大容量通信が可能な高い周波数帯が中心です。

  • 38GHz帯: 5Gのバックホール通信などで使われるミリ波帯です。

  • 47/48GHz帯: さらに高い周波数帯で、大容量のデータ伝送を可能にします。

  • Q帯: フィーダーリンクに用いられる高周波数帯の総称。

これらの周波数帯は、各国の電波法に基づいて運用されますが、国際的な協調により、世界中でHAPSの導入が進められています。

 

T&MコーポレーションではSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ、VSG、VNA等)による広帯域ベクトル変調解析のシステム提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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