SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA3000X PLUSシリーズ

TSN通信、5Gエンドツーエンドシステムは、工場や産業オートメーションなどの分野で、有線の**TSN(Time-Sensitive Networking)**の信頼性と決定的なリアルタイム通信能力を、5Gの柔軟な無線接続と組み合わせることで、有線と無線をシームレスに統合したネットワークシステムです。

 

5GとTSNの統合

 

TSNは、IEEEが標準化したイーサネット技術の拡張規格で、厳密な時間同期と低遅延・低ジッタでのデータ伝送を保証します。これは、ロボットの協調制御や機械の閉ループ制御といった、ミリ秒単位の正確なタイミングが要求される産業用アプリケーションに不可欠です。

一方、5Gは、高速・大容量、超低遅延、多数同時接続という特徴を持ち、特に産業用途向けにはURLLC(Ultra-Reliable Low Latency Communication)やネットワークスライシングといった機能が強化されています。

この両者を統合することで、以下のようなメリットが生まれます。

  • 有線の制約からの解放: 無線である5Gの利用により、工場内のレイアウト変更やロボットの移動が容易になり、生産性の向上と柔軟なシステム構築が可能になります。

  • エンドツーエンドの決定性通信: 5Gシステム全体がTSNネットワークの仮想ブリッジとして機能することで、有線ネットワークと無線ネットワークを跨いだ、エンドツーエンドでの厳密な時間同期とQoS(Quality of Service)の保証が実現します。

  • 多様なアプリケーションのサポート: 従来の産業用通信に加え、大規模なIoTデバイスやAIを活用したデータ分析など、新しい産業用アプリケーションを統合的にサポートできます。


 

システムの構成要素

 

5Gエンドツーエンドシステムは、有線と無線の両ドメインにまたがります。

  1. TSNネットワーク: 産業機器やコントローラが接続される有線部分。

  2. 5Gシステム: 端末(UE)、無線アクセスネットワーク(RAN)、5Gコアネットワーク(5GC)で構成される無線部分。

  3. TSNトランスレータ: 5GネットワークとTSNネットワークの境界に配置され、双方のプロトコルや時間同期メカニズムを相互に変換します。3GPP Release 16以降の規格で定義されています。

  4. セントラルネットワークコンフィギュレーション(CNC): TSNネットワーク全体のトラフィックパスやスケジュールを一元的に管理する機能。5Gシステムと連携して、無線区間を含めたエンドツーエンドのQoSを確保します。

  5. エッジコンピューティング: リアルタイム制御やデータ処理を、工場内に配置したサーバーで行うことで、クラウドへの通信による遅延を削減します。5GとTSNの統合システムと組み合わせることで、より高度な制御が可能になります。

 

 

T&MコーポレーションではSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ、VSG、VNA等)によるTSN関連の高周波電子計測器の提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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