SIGLENT  (シグレント)RF信号発生器 SSG5000Xシリーズ

時分割・直交周波数分割多元接続方式デジタルコードレス (TDMA-OFDMA) は、デジタルコードレス電話で用いられる通信方式です。

 

概要

 

この方式は、複数のユーザーが限られた周波数帯域を効率的に共有するために、時分割多元接続 (TDMA)直交周波数分割多元接続 (OFDMA) という2つの技術を組み合わせています。これにより、多数のユーザーが同時に、高品質な音声通話やデータ通信を行うことが可能になります。


 

構成技術

 

 

1. 時分割多元接続 (TDMA)

 

TDMAは、時間で通信を分割する技術です。個々のユーザーに決められた時間枠(タイムスロット)を割り当てることで、一つの周波数帯域を複数のユーザーが順番に使用します。これにより、同じ周波数を複数の端末が共有できます。

 

2. 直交周波数分割多元接続 (OFDMA)

 

OFDMAは、周波数で通信を分割する技術です。広い周波数帯域を多数の狭い周波数帯域(サブキャリア) に分割し、これらを直交させて互いに干渉しないようにします。各サブキャリアを複数のユーザーに割り当てることで、周波数の利用効率を高めます。これにより、複数のユーザーが同時に異なる周波数で通信できます。


 

主な特徴

 

  • 周波数利用効率が高い: TDMAとOFDMAの組み合わせにより、限られた周波数帯域を最大限に活用できます。

  • 干渉に強い: OFDMAの技術は、マルチパス干渉(電波が複数の経路を通って受信されることによる干渉)に強く、安定した通信が可能です。

  • 高速データ通信が可能: 多数のサブキャリアを束ねて使用することで、高速なデータ通信が実現できます。

この方式は、デジタルコードレス電話の国際規格である DECT (Digital Enhanced Cordless Telecommunications) に採用されており、日本国内では主にDECT準拠方式デジタルコードレス電話として普及しています。

 

ARIB STD-T118

日本ではDECT (Digital Enhanced Cordless Telecommunications) 方式が主流で、その使用周波数帯は1.9 GHz帯です。


補足

  • TD-OFDMA: 時分割多元接続 (TDMA) と直交周波数分割多元接続 (OFDMA) を組み合わせた通信方式です。複数のユーザーが時間と周波数の両方を共有して通信を行います。

  • DECT: デジタルコードレス電話の世界標準規格で、日本ではPHSの後継として採用されました。1.9 GHz帯を使用することで、2.4 GHz帯や5 GHz帯を使用するWi-Fiなどの他の無線機器との干渉を避けることができます。

  • 1.9 GHz帯: 日本では1880 MHz~1900 MHzの帯域がDECT方式のデジタルコードレス電話に割り当てられています。

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による システム提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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