ハンドヘルド スペクトラム&ベクトル・ネットワークアナライザー SHA860Aシリーズ

日本における5.9GHz帯V2Xは、次世代の自動運転を支える重要な通信技術として検討が進められています。これは、車両同士や道路インフラとの間で情報をリアルタイムにやり取りし、安全性の向上や渋滞の緩和などを目指すものです。


 

検討の背景と現状 🚦

 

現在、日本でのV2X(Vehicle-to-Everything)通信は、主に760MHz帯が利用されていますが、国際的な動向に合わせて、より広帯域な5.9GHz帯の導入が検討されています。

 

🇯🇵 日本国内の状況

 

  • 周波数割当: 総務省は、令和8年度中の周波数割当てを目指し、技術的な検討を進めています。

  • 実証実験: 国土交通省や総務省が連携し、高速道路での自動運転実証実験に5.9GHz帯V2Xを活用する計画が進んでいます。新東名高速道路東北自動車道の一部区間が先行地域として検討されています。

  • 技術課題: 既存の無線局(放送事業用無線局、ETCなど)との干渉回避など、周波数共用に関する技術的検討も重要とされています。


 

5.9GHz帯V2Xのメリットと課題 🛣️

 

 

メリット 👍

 

  • 国際調和: 欧米を中心に国際的に割り当てが進んでいる周波数帯であり、国際的な機器の共通化や開発の効率化が期待されます。

  • 広帯域: 760MHz帯よりも広い帯域幅を利用できるため、より多くの情報を高速にやり取りでき、高度な自動運転ユースケースに対応できます。

  • 低遅延: V2X通信は、車両の制御に関わるため、低遅延が非常に重要です。5.9GHz帯V2Xは、この要件を満たすことが期待されています。

 

課題 🚧

 

  • 既存システムとの共存: 放送事業用無線局など、すでに5.9GHz帯の一部を利用しているシステムとの干渉をどう回避し、周波数を再編するかが大きな課題です。

  • 通信範囲と見通し: 760MHz帯に比べ、5.9GHz帯は直進性が高いため、建物の陰や障害物の影響を受けやすく、見通しの悪い場所では通信範囲が狭まる可能性があります。

  • 社会実装の促進: 実証実験を通じて得られたデータを元に、通信仕様の策定や全国的なインフラ整備を進める必要があります。


 

将来の展望 🌐

 

5.9GHz帯V2Xは、合流支援や交差点での協調など、より高度な協調型自動運転の実現に不可欠とされています。今後、実証実験で得られるデータや技術的な検討結果を踏まえ、周波数割当と全国的なインフラ整備が進められることで、日本の自動運転技術の発展に大きく貢献すると期待されます。

 

参考:電波監理審議会(第1137回)会議資料 日時 令和6年12月13日(金)

電波監理審議会(第1137回)報告資料
周波数再編アクションプラン(令和6年度版)

 

 

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による 5.9GHz帯V2Xの評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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