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ISO 7176-21は、電動車椅子やスクーター、およびその充電器の電磁両立性(EMC)に関する国際規格です。この規格は、機器が電磁妨害を引き起こしたり、外部からの電磁妨害によって正常な動作を妨げられたりすることなく、安全に機能するための要件と試験方法を定めています。

この規格の目的は、電動車椅子が無線通信機器や他の電磁波発生源の近くでも安全に運転できることを保証し、さらに電動車椅子自体が他の機器に悪影響を与えないようにすることにあります。


 

ISO 7176-21の主な要件

 

ISO 7176-21は、主に以下の2つの側面からEMCを評価します。

 

1. イミュニティ (Immunity)

 

外部からの電磁妨害に対する耐性です。電動車椅子が、他の機器から放射される電磁波や静電気放電などの影響を受けても、意図しない動作や機能停止を起こさないことを確認します。例えば、携帯電話からの電波や、静電気による放電が車椅子の制御システムに影響を与えないようにするための試験が含まれます。

 

2. エミッション (Emission)

 

電動車椅子から放出される電磁妨害です。車椅子から発生する電磁波が、周囲の医療機器や電子機器などに悪影響を与えないことを確認します。


 

試験方法の概要

 

ISO 7176-21には、上記要件を検証するための具体的な試験方法が規定されています。

  • 放射イミュニティ試験: 電波暗室内で、様々な周波数の電磁波を車椅子に照射し、その動作に異常がないかを確認します。

  • 静電気放電(ESD)イミュニティ試験: 帯電したフレームを接地された導体に接触させた際の放電を模擬し、車椅子が正常に動作するかを検証します。これは、走行中に帯電した車椅子が金属柵などに触れた際に発生する放電を想定しています。

  • 充電器のEMC試験: 車椅子の充電器についても、一般的な家庭用電化製品と同様に、高調波電流や電磁妨害の放出、および外部からの妨害に対する耐性が試験されます。

 

 

 

詳細情報: 株式会社 e・オータマ  https://www.e-ohtama.jp

電動車椅子の EMC — ISO 7176-21 の概要

https://www.emc-ohtama.jp/emc/doc/iso7176-21-explained.pdf

 

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による EMC評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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