
3GPP Release 20は、第5世代移動通信システム(5G)の進化版である5G-Advancedの最終段階と、次世代の6Gの初期研究を同時に進めるための重要な規格です。これは、5Gの能力をさらに高め、新しい用途を開拓しつつ、6Gの基盤となる技術の検討を開始するという二つの目的を持っています。
主要な特徴と目的
Release 20は、大きく分けて以下の2つの目標を掲げています。
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5G-Advancedの完成: 5G-Advanced(Release 18と19)で導入された技術をさらに洗練し、既存の5Gのユースケースや展開をより意味のあるものにします。これには、AI/機械学習の活用、デバイスのモビリティ向上、アップリンク(基地局への送信)性能の改善などが含まれます。
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6Gへの橋渡し: 6Gの標準化に向けた本格的な技術検討を開始します。これは、Release 21以降で本格化する6Gの具体的な仕様策定に先立ち、基盤となる無線技術や新しいアーキテクチャの可能性を探るためのものです。
具体的な技術項目
Release 20で取り組まれる主な技術項目には、以下のようなものが含まれます。
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AI/機械学習: 無線インターフェース(エアインターフェース)におけるAI/機械学習の活用を推進し、通信効率やパフォーマンスの向上を図ります。
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アンビエントIoT: 電源を持たない、もしくは極めて低消費電力で動作するデバイス(環境IoT)の屋外でのサポートを検討します。
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物理層の強化: OFDMベースの波形や変調、MIMO(多入力多出力)技術、ビーム管理の改善など、物理層の性能をさらに高めます。
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ドローン通信: ドローンとの通信をより効率的かつ安全に行うための機能が強化されます。
このリリースは、現在の5Gエコシステムを強化しつつ、将来の6Gのビジョンを明確にするための戦略的なステップとして位置付けられています。
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