
ミリ波帯で用いられる1.0mmコネクタと0.8mmコネクタは、それぞれ特定の規格と周波数範囲を持っています。これらの規格は、高周波信号の伝送において、コネクタ間の互換性と安定した性能を確保するために重要です。
1.0mm コネクタ (W1コネクタ)
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規格: IEC 61169-31 で標準化されています。
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周波数範囲: 一般的にDC〜110 GHzの帯域に対応しています。これは、Wバンド(75〜110 GHz)を含む広範囲のミリ波帯をカバーします。
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特徴: 1.85mmコネクタ(Vコネクタ)を小型化したような設計です。高い周波数帯での測定や研究開発、通信機器などで広く使用されています。
0.8mm コネクタ
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規格: IEC 61169-64 で標準化されています。
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周波数範囲: 一般的にDC〜145 GHzまで対応しますが、製品によっては165 GHzやそれ以上の帯域まで動作するものが存在します。これは、1.0mmコネクタがカバーする範囲を超えるDバンド(110〜170 GHz)の領域をサポートします。
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特徴: 1.0mmコネクタよりもさらに小型化されたコネクタで、より高い周波数帯での測定を可能にします。ネジ式ではなく圧入式で組み立てられることがあり、非常に高い精度が要求されます。
コネクタ選択のポイント
これらのコネクタを選ぶ際は、以下の点に注意する必要があります。
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周波数帯: 使用するシステムが扱う信号の最大周波数がコネクタの周波数範囲内にあるか確認します。
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互換性: 異なるコネクタ間を接続するためには、専用の変換アダプタが必要です。例えば、1.0mm-0.8mm変換アダプタなどがあります。
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耐久性: 特に0.8mmコネクタは非常に繊細なため、繰り返し抜き差しする環境では、頑丈な設計の製品を選ぶことが重要です。
ミリ波コネクタは、その高い周波数性能を維持するために、中心導体の同軸性やインピーダンス整合が厳密に管理されています。標準規格に準拠することで、異なるメーカーの製品間でも信頼性の高い接続が保証されます。
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