
LTEおよび5Gにおけるサブキャリアの役割は、「多重化」と「高速化」を実現することです。広帯域の電波を小さな複数の周波数帯(サブキャリア)に分割し、それぞれにデータを乗せて送信することで、効率的な通信を可能にします。この技術はOFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) という多重化方式に基づいています。
役割の詳細
1. 多重化
複数の端末が同時に通信を行う際、電波をサブキャリアに分割して各端末に割り当てることで、信号の干渉を防ぎ、多くのユーザーが同時に通信できる仕組みを提供します。これは、広帯域の道路を複数の車線に分けるようなものです。これにより、通信の混雑を緩和し、安定した接続を維持します。
2. 通信の高速化
通信に利用できる周波数帯が広ければ、使えるサブキャリアの数が増え、一度に送れる情報量も増えます。これは、通信速度の向上に直結します。サブキャリアを多数並列に用いてデータを送信することで、単一の搬送波で通信するよりも高速なデータ伝送が可能になります。
LTEと5Gの違い
LTEと5Gでは、このサブキャリアの使い方が異なります。
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LTE: サブキャリアの間隔は基本的に15kHzで固定されています。
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5G: サブキャリアの間隔を柔軟に変更できます(15kHz、30kHz、60kHzなど)。
5Gでは、サブキャリアの間隔を広くすることで、より多くのデータを短時間で送信できるようになり、超高速・大容量通信を実現します。また、間隔を狭くすることで、より広いエリアをカバーするなど、利用シーンに合わせて効率的な通信が可能です。
参考情報:NTTドコモ
「5GにおけるNR物理レイヤ仕様」(PDF形式:1552KB)
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