SIGLENT (シグレント)スペクトラム・アナライザ SSA3000X PLUSシリーズ

LTEおよび5Gにおけるサブキャリアの役割は、「多重化」と「高速化」を実現することです。広帯域の電波を小さな複数の周波数帯(サブキャリア)に分割し、それぞれにデータを乗せて送信することで、効率的な通信を可能にします。この技術はOFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing) という多重化方式に基づいています。


 

役割の詳細

 

 

1. 多重化

 

複数の端末が同時に通信を行う際、電波をサブキャリアに分割して各端末に割り当てることで、信号の干渉を防ぎ、多くのユーザーが同時に通信できる仕組みを提供します。これは、広帯域の道路を複数の車線に分けるようなものです。これにより、通信の混雑を緩和し、安定した接続を維持します。

 

2. 通信の高速化

 

通信に利用できる周波数帯が広ければ、使えるサブキャリアの数が増え、一度に送れる情報量も増えます。これは、通信速度の向上に直結します。サブキャリアを多数並列に用いてデータを送信することで、単一の搬送波で通信するよりも高速なデータ伝送が可能になります。

 

LTEと5Gの違い

 

LTEと5Gでは、このサブキャリアの使い方が異なります。

  • LTE: サブキャリアの間隔は基本的に15kHzで固定されています。

  • 5G: サブキャリアの間隔を柔軟に変更できます(15kHz、30kHz、60kHzなど)。

5Gでは、サブキャリアの間隔を広くすることで、より多くのデータを短時間で送信できるようになり、超高速・大容量通信を実現します。また、間隔を狭くすることで、より広いエリアをカバーするなど、利用シーンに合わせて効率的な通信が可能です。

 

参考情報:NTTドコモ

「5GにおけるNR物理レイヤ仕様」(PDF形式:1552KB)

https://www.docomo.ne.jp/binary/pdf/corporate/technology/rd/technical_journal/bn/vol26_3/vol26_3_008jp.pdf

 

 

T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社/Ceyear社の電子計測器(スペアナ、VSG、VNA)による ミリ波帯通信評価に必要なシステムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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