
RSSI(Received Signal Strength Indicator)とは、無線通信において受信される信号の強度を示す指標です。デバイスがアクセスポイントやルーターから受け取る電波の強さを表し、一般的に単位はdBmで表されます。0に近いほど信号が強く、数字が小さくなる(負の値が大きくなる)ほど信号が弱いことを意味します。スマートフォンのWi-Fiアイコンや携帯電話のアンテナマークは、このRSSI値を視覚的に分かりやすく表示したものです。
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意味と機能:
- アンテナが捉える無線信号のパワーを測定し、その値を数値で示します。
- 通信品質の目安となり、RSSIの値が大きいほど通信は安定すると考えられます。
- Wi-FiやBluetooth、モバイル通信(LTEなど)といった様々な無線通信で利用される指標です。
- アンテナが捉える無線信号のパワーを測定し、その値を数値で示します。
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活用方法:
- Wi-Fi環境の改善::インターネットの接続が遅い場所で、WiFiの電波強度(RSSI)を確認し、適切な場所にWi-Fiルーターを設置するなどの対策をとることができます。
- 接続状態の把握::デバイスがどのような電波状況で接続されているかを詳細に把握するのに役立ちます。
- モバイル端末の評価::モバイル通信モジュールを利用した端末が安定した電波を受信できているかを確認するために使用されます。
- Wi-Fi環境の改善::インターネットの接続が遅い場所で、WiFiの電波強度(RSSI)を確認し、適切な場所にWi-Fiルーターを設置するなどの対策をとることができます。
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RSSIとRBWの関係
「RBWは計測する通信の帯域幅に合わせる」という指示は、RSSIを正確に測定するための重要な原則を示しています。
RSSIは「受信した電波のパワー」を測定するわけですが、この「パワー」は、特定の帯域幅内に存在するすべての信号とノイズの合計として測定されます。したがって、測定に使うRBWの設定が、その測定結果に直接影響を与えます。
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正しいRBW設定: 測定対象の通信規格(例:Wi-Fiの20MHz、40MHz帯域幅など)に合わせてRBWを設定することで、その通信が使用する帯域全体のパワーを正しく測定できます。
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不適切なRBW設定:
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RBWが狭すぎる場合: 信号のエネルギーの一部しか捉えられず、実際のRSSIより低い値が表示されてしまいます。
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RBWが広すぎる場合: 測定対象の信号帯域外にある不要なノイズや他の信号のエネルギーまで含んでしまい、実際のRSSIより高い値が表示されてしまう可能性があります。
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結論として、RSSIの測定はRBWの設定に依存します。正確なRSSI値を求めるためには、測定対象となる信号の帯域幅を考慮して、適切なRBWを設定することが不可欠です。
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チャンネルパワー(Channel Power)
チャンネルパワーとは、指定された周波数帯域(チャネル)内の信号全体の合計パワーを測定する指標です。無線通信では、データを送るために特定の周波数帯域が使われますが、この帯域内に存在するすべての信号の力を合計して算出します。
RSSIが「受信した信号の強さ」という点で、受信機側の指標であるのに対し、チャンネルパワーは「特定のチャネル内に含まれる信号の送信出力」を意味します。
例えば、Wi-Fiルーターが「チャネル1」を使って通信している場合、そのチャネル1の周波数帯域内にあるすべての信号のパワーを測定するのがチャンネルパワーです。この測定により、隣接するチャネルへの電波の漏れ(隣接チャネル漏洩電力)など、無線通信の品質を評価するために用いられます。
OBW (Occupied Bandwidth)
OBWは「占有帯域幅」の略で、無線信号が実際に占めている周波数の幅を示す指標です。
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何を表すか: 無線通信では、情報を送るために変調された信号が特定の周波数帯域を使用します。OBWは、その信号の全電力量の特定の割合(通常は99%)が含まれる周波数の幅を指します。
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用途: 主に無線機器の認証や規制適合性の評価に用いられます。法律で定められた帯域幅の範囲内に収まっているかを測定することで、他の無線通信への干渉を防ぐ目的があります。
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単位: Hz(ヘルツ)で表され、数値が大きいほど広い周波数幅を使用していることになります。
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違い: 占有帯域幅は、信号の周波数的な広がりを示すもので、RSSIが信号の電力的な強さを示すのとは異なる概念です。
要するに、RSSIは「電波の強さ」を、OBWは「電波の幅」を測る指標です。