SIGLENT （シグレント）スペクトル＆ベクトル・ネットワーク・アナライザ SVA1000Xシリーズ

青山学院大学名誉教授である橋本 修氏の主な功績は、電波吸収体の研究開発とその実用化への貢献、および電子情報通信工学分野における長年の学術・教育活動への貢献です。

特に顕著な功績と受賞歴は以下の通りです。

1. 電波吸収体の研究・実用化

橋本氏は、マイクロ波からミリ波に至る各種電波吸収体の設計法や測定評価法の研究を専門としており、その実用化に大きく貢献しました。

• ETC用電波吸収体の開発：

  • 高速道路の**ETC（電子料金収受システム）**のゲート周辺からの反射電波による誤作動を防ぐための電波吸収体を開発し、ETCシステムの急速な普及を促しました。この功績は、電気学会「平成28年度 業績賞」受賞の理由の一つとして挙げられています。

• 高機能化・軽量化の研究：

  • 「電波の吸収技術」として、マイクロ波・ミリ波帯における電波吸収体の高機能化、軽量・超薄型パッチ配列電波吸収体の設計など、幅広い研究開発を推進してきました。

• 著書：

  • この分野の専門書として『電波吸収体の技術と応用』、『電波吸収体入門』など多数の著書を執筆しています。

2. 電子情報通信工学分野への貢献

長年にわたり、電子情報通信工学の分野で研究・教育・学会活動に尽力し、数々の賞を受賞しています。

• 電子情報通信学会「功績賞」の受賞：

  • 電子工学及び情報通信に関する学術又は関連事業に対し特別の功労があり、特にその功績が顕著な技術者・研究者に授与される、電子情報通信学会の最高賞にあたる「功績賞」を受賞（2025年）。これは長年の電波吸収体の高機能化研究及び実用化への尽力が評価されたものです。

• その他の主要な受賞：

  • 電気学会「業績賞」（平成28年度）

  • 電子情報通信学会「業績賞」（平成30年度）

  • 電子情報通信学会 エレクトロニクスソサイエティ会長を務めるなど、学会の発展にも貢献しました。

3. 環境電磁工学・生体電磁工学の研究

• 人体防護技術：

  • 電波の人体吸収や人体シールドの解析、携帯電話の性能構造改善、そしてその測定評価法の研究など、電波の人体への影響を考慮した研究も行っています。

• 磁界シールド技術：

  • 銅板に穴を開け、円筒の金属板を取り付けることで磁界のシールド効果を高める技術開発にも成功しています。

• 材料定数測定技術：

  • 特に非破壊測定法やミリ波帯における測定法の研究も専門分野としています。