
「Cubic Yagi-Uda Array Antenna」(キュービック八木・宇田アレイアンテナ)とは、日本の研究者によって考案・提案されている八木・宇田アンテナを小型化・高利得化した新型のアンテナ構造を指します。
これは、伝統的な八木・宇田アンテナの原理を基に、よりコンパクトな空間で高い指向性(ゲイン)と広帯域性を達成することを目指した設計です。
⚙️ 構造と特徴
「Cubic(キュービック)」という名称が示すように、アンテナ全体が立方体(サイコロ)のような小さな空間に収まるように設計されている点が大きな特徴です。
1. 伝統的な八木・宇田アンテナ
八木・宇田アンテナは、反射器(リフレクタ)、輻射器(給電部)、導波器(ディレクタ)を一直線上に配置し、強い指向性と高い利得を得るアンテナです。しかし、利得を高めるには導波器を増やし、アンテナ全長を長くする必要があります。
2. Cubic Yagi-Uda Array Antenna のアプローチ
この「Cubic」構造の詳細は論文によって異なる場合がありますが、一般的には、以下のような工夫で小型・高利得化を図ります。
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素子の形状変更: 導波器や反射器などの素子を、従来の直線状のダイポールではなく、折り曲げたり、ループ状にしたりして、アンテナ全体の体積を抑えつつ、実効的な電気長を維持します。
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導波器の最適化: 複数の素子を立体的に配置し、限られた体積の中で効率よく電磁界を集中させ、高い利得と指向性を実現します。
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アレイ化: 単体の八木・宇田アンテナを複数個組み合わせてアレイ(配列)構造とすることで、さらなる利得の向上やビーム制御の柔軟性を図る場合もあります。
💡 応用分野
このアンテナは、高い指向性を持ちながら設置スペースを小さくできるため、以下のような用途が想定されます。
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ワイヤレス電力伝送(WPT):電波のエネルギーを特定の方向へ効率よく集中させて送る、または受け取る必要があるシステム。
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小型通信機器(CubeSatなど):サイズや重量に厳しい制約がある小型衛星やドローンなどの通信用アンテナ。
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レーダーシステム:高い指向性と利得が求められるレーダーのアンテナアレイ。
こちらの資料では、「Yagi-Uda Antenna」について詳しく解説されています。
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