
GPUは Graphics Processing Unit(グラフィックス・プロセッシング・ユニット、画像処理装置)の略で、主にコンピューターの画像や映像の処理を専門に行う半導体チップです。
従来のCPU(Central Processing Unit)と比べて、大量の単純な計算を同時に並行して処理することに優れているのが最大の特徴です。この「並列処理能力」の高さから、もともとの用途であるグラフィックス処理以外にも、幅広い分野で活用されています。
役割と特徴
項目 | GPU (Graphics Processing Unit) | CPU (Central Processing Unit) |
主な役割 | 画像・映像処理、並列計算 | コンピューター全体の制御と汎用的な計算処理 |
得意な処理 | 大量の単純な計算の同時並行処理(並列処理) | 複雑で多様な命令の一つずつの高速処理(直列処理) |
コア数 | 非常に多い(数千コアになることも) | 比較的少ない(数十コア程度) |
適したタスク | 3Dグラフィックス、動画編集、AI学習など | OSやアプリケーションの実行、一般的な事務作業など |
GPUは、高画質の3Dゲームや動画編集などで、膨大な量のピクセル(画素)の計算を瞬時に行うために不可欠なパーツです。
主な用途
GPUの並列処理能力は、ゲームや映像制作以外の分野でもその能力が活かされています。
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ゲーム・グラフィックス処理
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3DゲームやVRコンテンツのリアルタイムレンダリング。
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高解像度(4K、8K)の映像表示。
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クリエイティブ作業
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高画質な動画編集(エフェクト処理、レンダリング)。
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RAW画像編集、3DCG制作、CAD設計。
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AI・機械学習
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ディープラーニングなどの**AIモデルの学習(トレーニング)**や推論。大量のデータを並行して処理できるため、CPUよりも高速に計算ができます。
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科学計算・データ解析
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科学シミュレーション、気象モデリング、ビッグデータ解析など、高度な計算能力が求められる分野。
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GPUは、単体で「グラフィックボード(またはビデオカード)」としてPCに搭載されるタイプと、CPUチップに組み込まれている「内蔵GPU」の2種類があります。高性能な処理を求める場合は、専用のグラフィックボードを搭載した単体GPUが選択されます。