SIGLENT (シグレント)SDS7000A シリーズ デジタル・オシロスコープ

Rail-to-Rail」という言葉と「電源レール」という言葉は、主にアナログ回路、特にオペアンプ(演算増幅器)の分野でセットとして使われます。


 

1. 電源レール(Power Rail)とは

 

電子工学において、「電源レール(Power Rail)」とは、**回路に電力を供給する電圧ライン(配線)**のことを指します。

  • Positive Rail(正のレール): 電源の最も高い電圧(例:+VCC+VDD)。

  • Negative Rail(負のレール): 電源の最も低い電圧(例:VEE や GND(グランド))。

回路図や基板上では、これらの電源電圧ラインが、信号が走る線路(レール)のように見えることから、このように呼ばれます。


 

2. Rail-to-Rail(レール・ツー・レール)とは

 

「Rail-to-Rail」とは、アナログ回路が電源レールの電圧範囲いっぱいまで信号を扱える能力を示す性能を表す用語です。特にオペアンプの仕様として重要視されます。

この機能を持つオペアンプは、「Rail-to-Railオペアンプ」や「フルスイングオペアンプ」と呼ばれます。

 

⚡️ Rail-to-Railの必要性

 

従来のオペアンプの多くは、内部回路の特性上、入力信号または出力信号の電圧が、電源レール(+VCCやGND)に近づきすぎると、正常に動作しなくなったり、出力信号が歪んだりしてしまいます。

しかし、特にバッテリー駆動の製品など、低電圧・単電源で動作させる場合、電源電圧の範囲を最大限に利用することが求められます。

 

📐 Rail-to-Railの2つのタイプ

 

Rail-to-Railオペアンプは、信号を扱う機能が入力側と出力側のどちらに備わっているかで、以下の2つに分けられます。

  1. 入力 Rail-to-Rail

    • 意味: 入力信号として、正のレールから負のレールまでの全範囲の電圧を受け取って正常に動作できる能力。

  2. 入出力 Rail-to-Rail

    • 意味: 入力側が全範囲の電圧を扱えるだけでなく、出力側も正のレールから負のレールまでの全範囲に近い電圧を出力できる能力。

この技術により、オペアンプは限られた電源電圧を最大限に活用し、最大の信号振幅(スイング幅)と高いダイナミックレンジを実現できます。

 

 

 

真の電源ノイズ観測のための正しいプローブ選択 ~パワーレールプローブ~ SIGLENT SAP4000P

この動画は、通常のパッシブプローブとパワーレールプローブの違いを比較し、微小な電源ノイズ(リップル)を正確に観測するためにパワーレールプローブが必要であることを示しています。

 

 

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製品紹介:SIGLENT社 SAP4000P

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