MP4ファイルフォーマット(拡張子:.mp4)は、動画、音声、字幕、静止画などのマルチメディアデータを格納するための国際標準のデジタルコンテナフォーマットです。
国際標準化機構(ISO)によって策定されたMPEG-4 Part 14が正式名称であり、現在の動画ファイル形式の中で最も広く普及し、高い汎用性を持っています。
📁 MP4の主要な特徴と構造
1. コンテナフォーマットとしての役割
MP4は、動画の圧縮方式(コーデック)自体ではなく、圧縮された動画データや音声データ、それらを再生するためのメタデータなどを一つにまとめる「箱」のような役割を果たします。
| 要素 | 説明 | 主な規格/コーデック |
| 動画データ | 映像の圧縮データ。高い圧縮率と画質を両立。 | H.264 (AVC)、H.265 (HEVC) など |
| 音声データ | 音声の圧縮データ。 | AAC (Advanced Audio Coding)、MP3など |
| メタデータ | 動画の長さ、フレームレート、コーデック情報、字幕データ、著作権情報など。 | 'moov' (Movie Box) に格納される |
2. MP4とMPEG-4の違い
多くの人が混同しますが、両者は異なる概念です。
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MPEG-4: 動画や音声の圧縮・符号化(エンコード)方式の標準規格全体を指します。
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MP4: MPEG-4規格で圧縮されたデータを格納するためのファイル形式(コンテナ)、つまりMPEG-4 Part 14を指します。
比喩: MPEG-4は「ソーダ(圧縮技術)」、MP4は「ソーダを入れる缶(コンテナ)」のような関係です。
3. ファイルの内部構造(Box構造)
MP4ファイルの内部は、**Box(またはAtom)**と呼ばれる最小単位のデータブロックが木構造(ツリー構造)で構成されています。
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'ftyp' (File Type Box): ファイルの先頭にあり、MP4ファイルの規格の種類を示します。
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'mdat' (Media Data Box): 圧縮された実際の動画・音声データ本体が格納されます。
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'moov' (Movie Box): メタデータ(再生に必要な情報、データの格納場所、時間情報など)が格納されます。ストリーミング再生(LOD: 読み込みながら再生)を円滑に行うため、この
moovBoxはファイル先頭付近に配置されることが推奨されます。
📈 MP4のメリット
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高い汎用性: Windows、Mac、iOS、Androidなど、ほぼすべてのデバイスとプラットフォームで再生・利用が可能です。
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高効率: H.264などの高効率コーデックを使用できるため、ファイルサイズを小さく抑えつつ、比較的高い画質を維持できます。
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ストリーミング適性: インターネット経由のストリーミング配信(YouTube、SNSなど)に適しており、動画共有プラットフォームで推奨される形式の一つです。
MP4は、その汎用性の高さから、特別な要件がない限り「迷ったらMP4」と言われるほど、現代のデジタルメディアにおいて標準的な役割を担っています。
動画の基礎知識について、こちらのYouTube動画が参考になるかもしれません:
「MP4」 映像の基礎知識#10
この動画は、MP4がMPEG-4規格の一部であることや、両者の違いについて簡潔に解説しています。
※栄藤 稔 氏
パナソニックにて画像符号化標準化に従事した後、2000年にNTTドコモに転じ、3G以降のモバイルマルチメディア技術開発とデータマイニングを立ち上げる。MP-4ファイルフォーマットの生みの親。
Ceyear社ではLightwave Component Analyzer、Optical Spectrum Analyzerをラインナップしています。
2025年マイクロウェーブ展で展示されます。https://tm-co.co.jp/mwe2025/
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