SIGLENT(シグレント)ベクトル信号発生器 SSG6082A-V シリーズ

「SIGGW filter」は、基板集積型ギャップ溝導波路(Substrate Integrated Gap Groove Waveguide)技術を用いたフィルタのことで、主にミリ波帯(mm-wave)で使用される低損失・高集積な高性能フィルタです。1

 

 

これは、従来の**SIW (Substrate Integrated Waveguide)**の利点を持ちつつ、さらに性能を向上させるために考案された比較的新しい技術です。


 

🔬 SIGGW (基板集積型ギャップ溝導波路) の構造と特徴

 

SIGGWは、以下の要素を組み合わせて電磁波を閉じ込める構造です。

  1. 基板集積型 (Substrate Integrated): 標準的なプリント基板(PCB)プロセスで製造され、回路の小型化、軽量化、低コスト化、および他の平面回路との高集積化を可能にします。

  2. ギャップ (Gap): 導波路の内部の導体と外部の導体との間に**意図的に設けられた小さな空間(ギャップ)**を指します。

  3. 溝導波路 (Groove Waveguide): 伝送路の上下の金属板(グランドプレーン)の間に、溝(グルーブ)状の構造を設けることで、電磁波の伝搬特性を制御し、特に伝送損失の低減を図ります。

 

SIWフィルタとの違い

 

特徴 SIW (基板集積型導波路) SIGGW (基板集積型ギャップ溝導波路)
側壁構造 上下導体層を接続する**ビアホール(金属メッキされた穴)**の列で構成。 ビアホールに加えて、ギャップや溝などの構造を追加することで電磁波を閉じ込める。
主な利点 小型、低コスト、高Q(高性能指数) SIWの利点に加えて、特にミリ波帯での損失をさらに低減し、より広帯域な特性や**伝送零点(ノイズ除去)**の追加などの設計自由度が向上する。
用途 マイクロ波〜ミリ波の全般的なフィルタリング。 5G/6Gなどの**ミリ波帯(Kaバンドなど)**の高性能フィルタリング。

 

🚀 SIGGWフィルタの主な用途

 

SIGGWフィルタは、その優れた電気的特性と集積性から、次世代の高速・大容量通信システムの中核部品として注目されています。

  • 5G/6Gミリ波通信:

    • Kaバンド (26.5 GHz - 40 GHz) などのミリ波帯域における基地局や端末のバンドパスフィルタ (BPF) として利用されます。この帯域は信号の減衰が大きいため、低損失なSIGGWは非常に有利です。2

       

       

  • レーダーシステム:

    • 高性能かつ小型のフィルタが必要とされる車載レーダー航空宇宙用レーダーなどに使用されます。

  • 通信モジュールの高集積化:

    • 低損失を保ったまま、他の集積回路(MMICなど)と容易に統合できるため、RFフロントエンドモジュールの超小型化に貢献します。3

       

       

例えば、SIGGW技術を用いたデュアルポスト型バンドパスフィルタは、ミリ波帯域(例:28 GHz)で高い選択性や、下側の阻止帯域に**伝送零点(ノイズ除去のための深いノッチ)**を生成できるなど、複雑なフィルタ応答を実現できることが報告されています。4

 

 

 

 

SSG6M80Aシリーズ
マルチチャネル・コヒーレント・マイクロ波信号発生器
主な特長
・最大周波数 13.6 GHz/20 GHz
・出力周波数分解能 最大0.001 Hz
・位相ノイズ < -136 dBc/Hz @ 1 GHz、オフセット 10 kHz(測定値)
・コヒーレントモード、搬送周波数 = 10 GHz、周囲温度変動 ±2℃、観測時間 5時間、位相変動 < 1.5°
・チャンネル間の周波数、振幅、位相を個別に調整可能。単一デバイスチャンネル同期および複数デバイスチャンネル位相同期をサポート。位相メモリ機能搭載
・アナログ変調、パルス変調(オプション)

・Coming soon

 

 

SSA6000A Series Signal Analyzer

Main Features
・Measurement Frequency Range: 2 Hz ~ 50 GHz
・IQ Analysis Bandwidth: 1.2 GHz
・Real-time Spectrum Analysis Bandwidth: 400 MHz
・Phase Noise: -123 dBc/Hz @ 1 GHz, 10 kHz offset
・DANL: Less than -165 dBm/Hz
・Demodulation and analysis of signals from multiple mobile communication standards including 5G NR, LTE/LTE-A, WLAN, and IoT, as well as wireless connections.

・Coming soon

 

SNA6000A Series Vector Network Analyzer

Key Features
・Frequency Range: 100 kHz ~ 50 GHz
・Dynamic Range: 135 dB
・IF Bandwidth Range: 1 Hz ~ 10 MHz
・Output Power Setting Range: -60 dBm ~ +20 dBm
・Supports 4-port (2-source) S-parameter measurements, differential (balanced) measurements, time-domain analysis, scalar mixer measurements, etc.
・Optional accessories include electronic calibration kits, switch matrix, and mechanical switches.
・Coming soon

 

 

 

 

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