「SIGGW filter」は、基板集積型ギャップ溝導波路(Substrate Integrated Gap Groove Waveguide)技術を用いたフィルタのことで、主にミリ波帯(mm-wave)で使用される低損失・高集積な高性能フィルタです。1
これは、従来の**SIW (Substrate Integrated Waveguide)**の利点を持ちつつ、さらに性能を向上させるために考案された比較的新しい技術です。
🔬 SIGGW (基板集積型ギャップ溝導波路) の構造と特徴
SIGGWは、以下の要素を組み合わせて電磁波を閉じ込める構造です。
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基板集積型 (Substrate Integrated): 標準的なプリント基板(PCB)プロセスで製造され、回路の小型化、軽量化、低コスト化、および他の平面回路との高集積化を可能にします。
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ギャップ (Gap): 導波路の内部の導体と外部の導体との間に**意図的に設けられた小さな空間(ギャップ)**を指します。
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溝導波路 (Groove Waveguide): 伝送路の上下の金属板(グランドプレーン)の間に、溝(グルーブ)状の構造を設けることで、電磁波の伝搬特性を制御し、特に伝送損失の低減を図ります。
SIWフィルタとの違い
| 特徴 | SIW (基板集積型導波路) | SIGGW (基板集積型ギャップ溝導波路) |
| 側壁構造 | 上下導体層を接続する**ビアホール(金属メッキされた穴)**の列で構成。 | ビアホールに加えて、ギャップや溝などの構造を追加することで電磁波を閉じ込める。 |
| 主な利点 | 小型、低コスト、高Q(高性能指数)。 | SIWの利点に加えて、特にミリ波帯での損失をさらに低減し、より広帯域な特性や**伝送零点(ノイズ除去)**の追加などの設計自由度が向上する。 |
| 用途 | マイクロ波〜ミリ波の全般的なフィルタリング。 | 5G/6Gなどの**ミリ波帯(Kaバンドなど)**の高性能フィルタリング。 |
🚀 SIGGWフィルタの主な用途
SIGGWフィルタは、その優れた電気的特性と集積性から、次世代の高速・大容量通信システムの中核部品として注目されています。
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5G/6Gミリ波通信:
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Kaバンド (26.5 GHz - 40 GHz) などのミリ波帯域における基地局や端末のバンドパスフィルタ (BPF) として利用されます。この帯域は信号の減衰が大きいため、低損失なSIGGWは非常に有利です。2
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レーダーシステム:
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高性能かつ小型のフィルタが必要とされる車載レーダーや航空宇宙用レーダーなどに使用されます。
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通信モジュールの高集積化:
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低損失を保ったまま、他の集積回路(MMICなど)と容易に統合できるため、RFフロントエンドモジュールの超小型化に貢献します。3
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例えば、SIGGW技術を用いたデュアルポスト型バンドパスフィルタは、ミリ波帯域(例:28 GHz)で高い選択性や、下側の阻止帯域に**伝送零点(ノイズ除去のための深いノッチ)**を生成できるなど、複雑なフィルタ応答を実現できることが報告されています。4
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