「Glass in Semiconductors: The Next Inflection in Semiconductors」とは、半導体業界において、チップパッケージの基板材料として従来の有機基板やシリコンインターポーザからガラス基板へと移行することが、次の大きな技術的変曲点(inflection point)になるという考え方、およびそれに関する調査・議論を指します。
この流れは、主に**AI (人工知能)やHPC (ハイパフォーマンス・コンピューティング)**の需要の高まりによって加速しています。
💎 なぜガラスが「次の変曲点」なのか?
AIやHPCのデバイスは、より多くのチップ(チップレット)とメモリを一つのパッケージに統合し、かつ高速で安定した信号伝送を行う必要があります。従来の有機基板には、以下の点で限界が生じています。
| 特性 | ガラス基板の優位性 | 従来の有機基板の問題点 |
| 平坦性・安定性 | 極めて平坦で、熱による寸法変化が少ない(低熱膨張係数, CTEがシリコンに近い)。 | パッケージが大きくなると反り(Warpage)が発生し、高精度な接続が困難になる。 |
| 信号伝送 | 誘電損失(信号の減衰)が低いため、高周波(GHz帯)での信号品質が優れている。 | 高周波での損失が大きく、性能が頭打ちになる。 |
| 集積密度 | 高精度な微細加工が可能で、**超高密度の配線(RDL)や貫通電極(TGV: Through-Glass Via)**を実現できる。 | 配線の微細化に限界がある。 |
| サイズ | 有機基板やシリコンインターポーザよりも大判(大きなパネルサイズ)での製造が可能であり、将来的なコスト削減につながる。 | 製造可能なパネルサイズに制約がある。 |
これらの優位性により、ガラス基板は、複数のチップレットやHBM (High Bandwidth Memory) を統合するアドバンスト・パッケージングの中核材料として、非常に有望視されています。
💡 主な応用分野と企業の動向
応用分野
-
AIアクセラレーター/HPC: 60~80mmといった大型パッケージに多数のチップレットを統合するアーキテクチャを実現。
-
5G/6G通信インフラ: 低損失特性を活かし、高周波RFモジュールに使用。
-
フォトニクス統合: 光学的な透明度を活かし、光ファイバーへの信号ルーティング(電気回路と光回路の統合)に利用。
業界の動向
主要な半導体企業や材料メーカーがこの技術開発に注力しています。
-
Intel: 2020年代後半の導入を目指し、ガラス基板技術の開発を主導。
-
Samsung Electro-Mechanics、LG Innotek、Absolics (SKC): 量産に向けたパイロットラインを構築中。
-
Corning、SCHOTT、AGC: ガラス素材を提供する専門メーカーとして、半導体パッケージングに最適化された低損失ガラスを開発。
この技術の普及は、レーザー加工、銅配線形成、パネルハンドリングといった製造技術のエコシステム成熟にかかっていますが、業界全体が「ガラスは次の技術革新の核となる」という認識で一致しています。
この技術に関するより詳細な情報は、Why Glass Core is the Next Leap in High-Speed Designという動画からご覧いただけます。この動画では、ガラスコア技術のブレイクスルーの可能性、特に高周波設計における優位性について解説されています。
-
ミリ波誘電率測定の最新動向
110GHz帯におけるFPOR(Fabry-Pérot Open Resonator:ファブリー・ペロー型開放共振器)を用いた誘電率測定は、高精度化と測定範囲の拡大、そして標準化に向けた取り組みが主な焦点となっています。 110GHz FPOR誘電率測定の最新動向 1. 測定技術の高度化と広帯域化 FPOR法は、非破壊・非接触で低損失材料の誘[…]
-
110GHz複素誘電率測定システム – FPOR製品(ネクステム株式会社)と協調してソリューション提供
弊社とネクステム株式会社は、協調して110GHz複素誘電率測定システム(FPOR:FABRY-PEROT OPEN RESONATOR)を提供いたします。 FPORお問い合せ先: ネクステム株式会社 ホームページhttp://www.nextem.co.jp/ Email: info@nextem.co.jp 電話:06-6977-7027 システムカタログ ダウンロード ネクス[…]
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|











