🛰️ QV帯デジタルビームフォーミングアンテナについて
QV帯デジタルビームフォーミングアンテナは、Q帯(40GHz帯)およびV帯(50GHz帯)というミリ波帯の周波数を利用し、デジタルビームフォーミング(DBF)技術を適用したアンテナシステムです。
このアンテナは、次世代の衛星通信、特に低軌道(LEO)衛星コンステレーションを実現するための中核技術の一つとして研究開発が進められています。
💡 デジタルビームフォーミング技術
デジタルビームフォーミング(DBF)は、複数のアンテナ素子から送受信される信号をデジタル信号処理で個別に制御し、特定の方向に電波のビームを形成したり、信号を強調したりする技術です。
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ビームの形成・制御: 柔軟かつ機動的に電波のビーム方向を制御したり、複数のビームを同時に生成するマルチビーム化が可能です。
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高速大容量通信: 特定のユーザーや目的に合わせて電力を集中させることができるため、超高速・大容量の通信を実現できます。
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利点: アナログビームフォーミングと比較して、より高精度なビーム制御や、複数のビームを柔軟に設定できるといった利点があります。
📡 QV帯の特性と課題
Q/V帯は、衛星通信で既に利用されているKu/Ka帯に続く新しい周波数帯として期待されています。
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特性: 回折性が少ないという特性を活かし、妨害を受けにくい通信用途や、降雨減衰が問題となりにくい宇宙空間などでの大容量通信への活用が期待されています。
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課題: ミリ波帯であるためアンテナ素子間の間隔(ピッチ)が非常に狭く(数ミリメートル以下)、アンテナを構成する送受信モジュールの高集積化や、デジタル信号処理の演算量の削減が重要な課題となります。この課題に対して、ダイレクトデジタルRF送受信機構成などの技術が研究されています。
🌐 主な用途
QV帯デジタルビームフォーミングアンテナは、主に以下のような用途で研究開発が進められています。
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次世代衛星通信:特に、日本独自の低軌道(LEO)衛星コンステレーションへ搭載するアンテナシステムとして、セキュアでレジリエントな通信インフラの実現に寄与することが期待されています。
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高速移動環境での通信:5Gの高度化に向けたミリ波帯基地局連携技術など、超高速大容量通信の実現を目指す分野でも応用が期待されています。
この技術は、アンテナ、送受信モジュール、デジタル信号処理など、多くの先端技術が組み合わさって実現されています。
次世代衛星通信におけるデジタルビームフォーミングの役割と課題について説明している動画がこちらです: Digital beamforming in KA-band satcom: calibration challenges and impacts of phase noise
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