🛰️ 名古屋大学におけるW帯パワーアンプの開発
名古屋大学では、W帯(75~110 GHz)というミリ波帯の周波数帯を活用した、高出力かつ高効率な**パワーアンプ(電力増幅器)**の研究開発が積極的に行われています。
この研究は、主に次世代の宇宙ネットワーク、特に低軌道(LEO)衛星での利用を想定したキーデバイス開発の一環として進められています。
🔬 研究の核となる技術と目的
名古屋大学の未来材料・システム研究所(IMaSS)を中心とした研究チームは、以下の技術と課題に注力しています。
1. GaN HEMTを用いた高出力増幅器
W帯パワーアンプの材料として、高い耐圧を持つワイドバンドギャップ半導体であるGaN(窒化ガリウム)HEMT(High Electron Mobility Transistor)が用いられています。
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目標性能: 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の委託研究(Beyond 5G宇宙ネットワーク向け)の一環として、W帯でP1dB 27dBm(約0.5W)以上、効率25%以上のGaN送信増幅器の開発を目指しています。
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W帯の課題: W帯の活用は、有限で希少な電波の有効利用に寄与しますが、この周波数帯での高効率・高出力な増幅器の実現には、高周波特性と高出力特性を両立させるデバイス構造の最適化が不可欠です。
2. 宇宙環境での利用を想定した耐放射線性
LEO衛星などの宇宙環境では、地球上とは比較にならないほど放射線の影響が大きくなります。
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耐放射線性: GaN HEMTは、従来のGaAsトランジスタなどと比較して放射線耐性が大きいという特性を持っており、宇宙での利用に適しています。
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研究内容: 異なるゲート長プロセスで作製されたGaN HEMTについて、高周波特性と放射線耐性の両面から評価し、宇宙環境下でも安定して動作するパワーアンプの開発を進めています。
3. ダイヤモンドRF MOSFETなどの新材料デバイス
究極の半導体材料として期待されるダイヤモンドを用いたRF MOSFET(Radio Frequency Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)の研究も行われています。これは、次世代の超高効率・耐放射線デバイスの創出を目指すものです。
👥 主な研究者
名古屋大学のこの研究テーマに関わる主な研究者は、未来材料・システム研究所に所属しています。
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原 信二 特任教授
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作野 圭一 氏
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丹波 憲之 氏
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(関連して、パワーエレクトロニクス分野でGaN素子の研究を行う山本 真義 教授らも所属しています。)
これらの研究成果は、将来のテラヘルツ帯通信や6G以降の超高速ワイヤレス通信技術の基盤となることが期待されています。
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