PTFE基板(ピーティーエフイーきばん)とは、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)というフッ素樹脂を絶縁層に用いたプリント基板のことです。
PTFEはデュポン社の登録商標である**テフロン™**として広く知られており、そのため「テフロン基板」や「フッ素基板」とも呼ばれます。
この基板の最大の特長は、高周波特性に優れている点であり、高速通信が必要な電子機器に不可欠な材料となっています。
💡 PTFE基板の主な特徴と用途
PTFE基板は、その独特な化学的・物理的性質により、従来の一般的なガラスエポキシ基板(FR-4材など)では対応が難しい、高度な電子機器に使用されます。
1. 優れた高周波特性
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低誘電率(Dk)と低誘電正接(Df):
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PTFEの誘電率(Dk)は約2.0〜2.1と非常に低く、周波数による変化も少ないです。
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誘電正接(Df、誘電損失の指標)も極めて低いです。
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これにより、高周波信号(マイクロ波、ミリ波など)を伝送する際の信号損失(伝送ロス)を最小限に抑え、高速かつ高効率な通信を実現します。
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2. その他の特長
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高い耐熱性: 連続使用温度が**260℃**程度と高く、高温環境下でも安定した性能を維持できます。
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優れた耐薬品性: ほとんどの化学薬品や溶剤に対して非常に高い耐性があり、腐食されにくいです。
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低い吸湿性: 水分をほとんど吸収しないため、湿度による電気特性の変化が少なく、安定性に優れています。
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高い絶縁性: 非常に高い電気絶縁性を持ちます。
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3. 主な用途
これらの特長から、PTFE基板は主に高周波や高速デジタルの分野で利用されています。
| 分野 | 具体的な用途例 |
| 通信機器 | 5G/6G関連機器、基地局アンテナ、高周波アンプ、フィルター、発振器、Wi-Fi機器 |
| 航空宇宙 | 衛星通信、航空機内の電子機器(耐熱性・絶縁性を活用) |
| 軍事・レーダー | 高精度なレーダーシステムや電子戦機器 |
| 計測機器 | 高周波測定器、気象観測機器 |
| 医療機器 | 高度な化学的安定性が求められる分野 |
⚠️ 留意点
PTFE基板は高性能ですが、いくつかの課題もあります。
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製造コスト: 特殊な材料特性と加工の難しさから、一般的なFR-4基板に比べて製造コストが高い傾向にあります。
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加工の難しさ: PTFEは非粘着性(ものがくっつきにくい)という性質があるため、多層基板化に必要な接着性を確保するために、特殊な表面処理や加工技術が必要です。
PTFE基板は、信頼性と精度が最優先される、ミッションクリティカルな高周波アプリケーションにとって不可欠な材料となっています。
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Dielectric constant:Dk = 1 – 15 (accuracy ± 0.2 %) Loss tangent:Df > 5 × 10–6 (accuracy ± 2 %)
1.0mmコネクタケーブルによる直接接続(エクステンダ不要)
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ありがとうございます。
T&Mコーポレーションは設立5年弱ですが着実に業績を伸ばしており、
オフィスを台東区から港区芝(最寄り駅浜松町)に移転いたしました。
有名ブランドメーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)
弊社では若干の値下げをさせていただき、(110GHz VNA、C社製は5000万円以下です。)
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