石英ガラス繊維(クォーツファブリック)基板材料は、高周波プリント基板(PCB)において、**極めて低い誘電損失($D_f$)**を実現するために使用される、最高水準の基板材料の一つです。
特に次世代通信(5G/6G)、レーダー、航空宇宙分野など、高速で大容量のデータ伝送が求められるハイエンド用途で注目されています。
1. 🔬 材料の概要と優れた特性
石英ガラス繊維は、純度99.95%以上という極めて高い純度の**二酸化ケイ素($\text{SiO}_2$)**から作られる繊維です。これを基材として樹脂(エポキシ樹脂など)と複合化し、銅箔を貼り付けたものが、高周波CCL(銅張積層板)として使用されます。
🥇 電気的特性(超低損失)
石英ガラス繊維が基板材料として優れている最大の理由は、その誘電特性にあります。
-
極めて低い誘電正接(Df):
-
誘電正接(Df)は、信号が基板を伝わる際に熱に変換されて失われる電力(誘電損失)を示す指標です。
-
一般的な基板材料(FR-4)のDfが0.015 ~ 0.020程度であるのに対し、石英ガラス繊維を用いた材料では、**Dfが0.0002**という極めて低い値を達成した事例が報告されており、PTFE(テフロン)材料をさらに下回る超低損失性能を誇ります。
-
これにより、特に**GHzを超える高周波域**において、信号の減衰を最小限に抑えることができます。
-
-
安定した誘電率(Dk):
-
誘電率(Dk)も3.74前後と低く、高周波での信号伝播速度を速く保ちます。
-
🔥 熱的・機械的特性
石英ガラス自体が持つ特性から、基板として以下の利点があります。
| 特性 | 内容 | 基板への影響 |
| 超低熱膨張率(CTE) | 汎用ガラス繊維の約1/10程度の低さ | 温度変化による基板の反りや寸法変化を抑え、薄型パッケージ基板や精密な多層基板の信頼性を向上させる。 |
| 高耐熱性 | 連続使用温度が1000℃を超える | 高温環境下での使用や、製造時の熱処理に耐性が高い。 |
| 高純度 | 不純物(OH基など)の含有量が極めて低い | 微細な電子回路の信頼性を高め、低α線材料としても使用可能。 |
2. 📡 主な用途
その卓越した性能から、石英ガラス繊維基板は、高性能が求められる最先端分野で使用されます。
-
超高速通信・レーダーシステム: 5G/6G基地局、衛星通信機器、高性能レーダーシステムなどの高周波回路基板。
-
航空宇宙・防衛: 過酷な温度変化や高信頼性が求められるアビオニクス機器や防衛用電子機器。
-
半導体・先端電子部品: 半導体の薄型パッケージ基板や、高精度のフォトマスク基板(合成石英ガラス基板)としても使われます。
-
光関連: UV(紫外線)からIR(赤外線)までの高い光透過率を活かし、光学分野でも利用されます。
石英ガラス繊維基板は、材料コストは高いものの、電気的・熱的・機械的なすべての面で最高の性能を発揮する、超ハイエンドな基板ソリューションです。
💡 主要なサプライヤー
日本国内では、信越化学工業などが「石英クロス(SQXシリーズ)」として、低誘電基板用のコア材およびプリプレグ用の石英クロス製品を提供しています。
PR:
![]() |
Dielectric constant:Dk = 1 – 15 (accuracy ± 0.2 %) Loss tangent:Df > 5 × 10–6 (accuracy ± 2 %)
1.0mmコネクタケーブルによる直接接続(エクステンダ不要)
|
ありがとうございます。
T&Mコーポレーションは設立5年弱ですが着実に業績を伸ばしており、
オフィスを台東区から港区芝(最寄り駅浜松町)に移転いたしました。
有名ブランドメーカーが値上げをする中、(110GHz VNAでは1億円超え)
弊社では若干の値下げをさせていただき、(110GHz VNA、C社製は5000万円以下です。)
深セン市のH社などでは、1台の有名メーカーの導入ではなく、C社製品を複数台導入することで開発を加速しています。
製品開発においては、2番手ではダメで、1番にならないとビジネスにはなりません。
高額な設備投資を伴う製品開発では、「安心感」ではなく「スピード感」が求められます。
弊社、取扱メーカー各社は電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
お客様のご予算を最大限生かす製品をご提案させていただいております。


