NF(雑音指数: Noise Figure)測定におけるノイズソースは、測定対象デバイス(DUT: Device Under Test)の雑音指数を正確に算出するために使用される、既知の雑音電力を発生させる校正された機器です。
ノイズソースは、一般的にYファクタ法と呼ばれるNF測定の代表的な手法で不可欠な要素となります。
💡 ノイズソースの役割と機能
ノイズソースの主な役割は、測定に用いるための既知の雑音レベルを提供することです。
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既知のENRの提供: ノイズソースには、その雑音電力を熱雑音と比較した値である**ENR(Excess Noise Ratio: 過剰雑音比)**が校正値として定められています。このENRの値がNF測定の計算に用いられます。
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ON/OFF制御: Yファクタ法では、ノイズソースを**ON(ホット状態)にした時とOFF(コールド状態)**にした時のDUTの出力電力を測定します。ノイズソースは、このON/OFF(ホット/コールド状態)を切り替える機能を持っています。
🧮 Yファクタ法とノイズソース
Yファクタ法は、以下の手順でNFを求める方法です。
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コールド状態の測定: ノイズソースをOFF(室温≒ 290 Kの熱雑音源として機能)にしたときの、DUTの出力雑音電力 Pcoldを測定します。
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ホット状態の測定: ノイズソースをONにしたときの、DUTの出力雑音電力 Photを測定します。
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Yファクタの算出: ホット状態とコールド状態の出力電力の比をYファクタ $Y$として算出します。
Y = Phot / Pcold -
NFの計算: 算出したYファクタと、ノイズソースのENRを用いて、DUTのNF(真数F)を計算します。
F =ENR / (Y - 1)(NF [dB]で表現する場合は、NF [dB] = 10log10(F) と計算します。)
ノイズソースは、この計算に必要な既知のENRを提供する校正された雑音発生源として機能します。
🔑 ノイズソースの選定要素
高精度なNF測定を行うためには、ノイズソースにも高い性能が要求されます。
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広帯域: 測定したい周波数帯域全体をカバーできる必要があります。
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低VSWR: ノイズソースの**VSWR(Voltage Standing Wave Ratio: 電圧定在波比)**が低いほど、多重反射が低減され、測定精度が向上します。
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安定性: ENRの値が温度や電圧に対して非常に安定していることが求められます。
NF測定にご興味がおありでしたら、**「ノイズソースのENR」**について詳しくお調べすることもできますが、いかがでしょうか?
Ceyear Noise source 16613DA/DB ENR 5dB/15dB
Noisecom NC346シリーズ NC346A/346B (Keysight 346A/346B)違い
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Noisecom NC346シリーズ NC346A/346B 、HP/Agilent/Keysight 346A/346B等のノイズソースをお持ちの場合使用可能です。 |
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Ceyear Noise source・16613DA Noise source ¥386,000 excess noise ratio ENR: 5dB~8dB, drive interface: standard BNC. excess noise ratio END: 14dB~17dB, drive interface: standard BNC. |




