一般的なENR 5 dB(または 6 dB)のノイズソース

ENR値の異なるノイズソースは、通常、根本的に異なる設計で構成されています。


💡 ENR値が異なるノイズソースの構造

ノイズソースの主要部品は、雑音を発生させるノイズダイオード(またはノイズチューブ)と、そのノイズを整合させるためのRF回路です。

1. ENR 15 dBのノイズソース

  • 構造: 非常に高い過剰雑音電力(ホットノイズ)を発生させるように設計された高性能なノイズダイオード(多くの場合、特殊な構造の半導体またはガスの放電管)を使用します。

  • 特徴: 広い周波数範囲で高レベルのノイズ出力を提供します。

2. ENR 5 dBのノイズソース

  • 構造: 低い過剰雑音電力(ホットノイズ)を発生させるように設計されたノイズダイオードを使用します。これは、ノイズダイオードの動作条件(駆動電流など)や、RF回路の設計によってENRが意図的に低く設定されています。

  • アッテネータを使用しない理由:

    • 低NF測定の精度確保: ENR 5 dBノイズソースは、非常にNFが低いデバイス(例:LNA)を高精度で測定するために使用されます。アッテネータを使用すると、アッテネータ自身が発する熱雑音が加算され、ノイズ源のENR値やSパラメータの不確かさが増してしまいます。

    • VSWRの安定性: NF測定において、ノイズソースの出力整合(VSWR)は非常に重要です。アッテネータを付加すると、アッテネータの特性と接続部の影響により、VSWRが悪化する可能性があり、正確な測定を妨げます。

🔬 校正とENRの正確性

メーカーは、ENR 5 dBおよびENR 15 dBのノイズソースをそれぞれ個別の製品として設計し、ナショナルラボや認証された校正機関ENR値を直接測定・校正します。この校正値(ENRの周波数ごとの表)に基づいて、測定器(ノイズフィギュアアナライザ)がNFを計算します。

ENR 5 dBのノイズソースは、低NFデバイスを高精度で測定するという目的のために、ENR値だけでなく、VSWRや安定性などの特性も最適化されているため、単に減衰器でノイズレベルを下げたものではない、専用の機器なのです。


 

 

 

ノイズソースのRetern Loss COLD/HOTの例

 

 

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Noisecom NC346シリーズ NC346A/346B 、HP/Agilent/Keysight 346A/346B等のノイズソースをお持ちの場合使用可能です。

Ceyear Noise source

・16613DA Noise source ¥386,000
 Frequency range: 10MHz~18GHz,

 excess noise ratio ENR: 5dB~8dB,
 output interface type: 3.5mm (m),

 drive interface: standard BNC.
・16613DB Noise source ¥386,000
 Frequency range: 10MHz~18GHz,

 excess noise ratio END: 14dB~17dB,
 output interface type: 3.5mm (m),

 drive interface: standard BNC.