概要

電源ノイズ測定では、回路そのものよりも
測定方法の違いによって結果が大きく変わることが多くあります。

SDS7000A は高帯域・高分解能・長メモリを備えており、
スイッチング電源における

  • リップル

  • スパイク

  • 過渡ノイズ

を時間領域で正しく観測するための十分な性能を持っています。

本記事では、製品仕様と機能を前提に、実際の電源ノイズ測定で重要になる考え方と設定の組み合わせを整理します。


 

電源ノイズ測定で最初に意識すべき点

電源ノイズは単一の成分ではなく、

  • 低周波の電圧リップル

  • スイッチングに伴う高速エッジ

  • 配線・プローブによる寄生成分

が重なった結果として観測されます。

そのため、
「ノイズが多い/少ない」という判断は必ず測定条件とセットで考える必要があります。


 

測定系の基本構成

SDS7000A を用いた基本的な電源ノイズ測定では、以下を前提とします。

  • アナログ入力チャンネルを使用

  • プローブは ×10 パッシブまたは差動プローブ

  • DC カップリング

  • 入力インピーダンスは 1 MΩ

特に重要なのは プローブのグランド経路です。
グランドリードが長い場合、実際の回路ノイズ以上の高周波成分が観測されることがあります。


 

帯域設定と時間軸の考え方

ノイズ測定では「帯域を広げれば正確」というわけではありません。

  • 高速スパイクを確認する場合:帯域制限 OFF

  • リップル成分を評価する場合:帯域制限 ON

時間軸を広く取りすぎると、サンプリング間隔が粗くなり、高周波成分が平均化されます。

時間軸とメモリ長は必ずセットで調整することが重要です。


 

トリガ設定の実務的な考え方

電源ノイズ測定では、トリガが不安定だと波形全体が評価できません。

基本は以下です。

  • トリガタイプ:エッジ

  • トリガソース:電源電圧測定チャンネル

  • トリガレベル:平均電圧付近

ノイズ成分にトリガが引っ張られている場合は、トリガレベルを意図的に中央付近へ戻すことで安定します。


 

FFT との併用位置づけ

FFT はノイズの「正体」を知るための補助的手段です。

  • まず時間軸で異常があるか確認

  • 次に FFT で周波数成分を把握

時間軸の設定が不適切な状態で FFT を行うと、誤った周波数成分が強調されるため注意が必要です。



 

周波数解析(Frequency Analysis)

FFT(高速フーリエ変換)の計算結果は、入力信号の周波数スペクトルとして表示されます。
FFT 表示では、横軸は時間(秒)ではなく、**周波数(Hz)**で表示されます。

また、縦軸は対数表示に対応しており、
dBVrms/dBArms/dBm などのスケーリングを選択することができます。



A. 時間領域波形表示エリア
B. スペクトル(FFT)波形表示エリア
C. FFT パラメータ表示エリア
D. ダイアログボックス
 




まとめ

  • 電源ノイズは測定条件に強く依存する

  • 帯域・時間軸・プロービングが結果を左右する

  • SDS7000A は時間領域ノイズ評価に十分な性能を持つ

「ノイズを見る」のではなく、「どう見ているかを理解する」ことが最も重要です。

 

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