ファストリカバリダイオード (FRD)は、順方向から逆方向に電圧が切り替わるとき、電流が遮断されるまでの時間(逆回復時間:trr)が極めて短いダイオードです。
一般的な整流用ダイオードよりも高速なスイッチングに対応できるため、高周波で動作するスイッチング電源やインバータ回路には欠かせない素子です。
1. 逆回復時間 (trr) とは
ダイオードには、順方向に電流が流れている状態から逆バイアスをかけた際、すぐには電流がゼロにならず、一瞬だけ逆方向に大きな電流が流れてしまう特性があります。これを逆回復現象と呼び、この時間を trr (Reverse Recovery Time) と言います。
-
一般整流用: trr が数μs ~ 数十μs と長く、高周波ではオフになりきれず短絡状態になります。
-
FRD: trr を数十ns ~ 数百ns 程度まで短縮しており、数kHz〜数百kHzのスイッチングに対応可能です。
2. FRDが必要な理由
スイッチング電源の効率向上とノイズ抑制において、FRDの特性は決定的な影響を与えます。
-
損失の低減: 逆回復電流が流れている間は「電圧がかかっているのに電流が流れる」状態になり、大きな電力損失(スイッチング損失)が発生します。FRDはこの時間を短くすることで発熱を抑えます。
-
サージノイズの抑制: 逆回復電流が急激に遮断されると、回路の寄生インダクタンスによって激しい電圧スパイク(リンギング)が発生します。FRD(特にソフトリカバリ特性を持つもの)を使用することで、このノイズを緩和できます。
3. リカバリ特性の「硬さ」と「柔らかさ」
FRDのデータシートでは、trr の速さだけでなく、波形の形状も重要視されます。
-
ハードリカバリ: 逆電流が急激にゼロに戻るタイプ。trr は短くなりますが、遮断時の di/dt が大きいため、強力なノイズとサージ電圧が発生しやすいのが欠点です。
-
ソフトリカバリ: 逆電流がなだらかにゼロに戻るタイプ。ノイズが少なく、スナバー回路を簡略化できるメリットがあります。現在の主流はこちらです。
4. ショットキーバリアダイオード (SBD) との使い分け
高速なダイオードにはSBDもありますが、FRDとは得意分野が異なります。
| 特徴 | FRD (Fast Recovery) | SBD (Schottky Barrier) |
| 動作原理 | PN接合(多数キャリア+少数キャリア) | 金属と半導体の接合(多数キャリアのみ) |
| 耐圧 | 高い(200V〜1200V以上が可能) | 低い(一般に200V以下が限界) |
| 順方向電圧 (VF) | やや高い (1.0V ~ 1.5V) | 低い (0.4V ~ 0.7V) |
| 逆リーク電流 | 小さい | 温度が上がると増大し、熱暴走の危険あり |
-
FRDの出番: 高耐圧が求められるAC100V/200V系の入力整流や、フライバックコンバータの二次側整流など。
-
SBDの出番: 低電圧(5Vや12Vなど)で効率を最優先する場合。
5. さらに次世代:SiC-SBD
近年、エンジニアの間で注目されているのが SiC(シリコンカーバイド)SBD です。
SiCを用いることで、従来のSBDでは不可能だった「高耐圧(600V以上)」かつ「trr がほぼゼロ(多数キャリア動作のため)」という理想的な特性を実現しています。
iNARTE試験などのEMC設計の観点からは、FRDのリカバリ電流が引き起こす数百MHz帯の放射ノイズへの理解が求められます。基板設計においてFRDの直近にスナバーを置くのは、このリカバリ時の「暴れ」を封じ込めるためです。
出典:Google Gemini (Gemini は AI であり、間違えることがあります。)
PR: Crss -Vdの測定、 Crss の周波数特性測定に最適
高電圧半導体CV特性測定器 TECHMIZE TH51Xシリーズ
-
多パラメータ測定: GaNデバイスの寄生容量として重要な、Ciss(入力容量)、Coss(出力容量)、Crss(帰還容量)、Rg(ゲート抵抗)といったパラメータを同時に測定・表示できます。
-
周波数範囲: 1kHzから2MHzの範囲でインピーダンス測定が可能です。(インピーダンス・アナライザ内蔵)
-
CVカーブスキャン機能: ゲート電圧(Vgs)やドレイン-ソース間電圧(Vds)をスイープしながら、寄生容量の変化をグラフ化する機能があります。これにより、デバイスの動作領域における容量の特性を詳細に分析できます。
![]() |
![]() |
なぜ高電圧での測定が必要か?
SMM3000Xシリーズ 高精度ソースメジャーユニット・表示桁数:6½桁(2,100,000カウント) ・SMM3311X(1ch) / SMM3312X(2ch) ・価格:90万円~ |
|
|
・USB VNA |
・Coming soon |
![]() |
SDS8000Aシリーズ オシロスコープ 特長と利点 ・Coming soon |
![]() |
SSG6M80Aシリーズ ・Coming soon
|
![]() |
![]() |
![]() |
SSA6000A Series Signal Analyzer Main Features ・Coming soon
|
![]() |
SNA6000A Series Vector Network Analyzer Key Features
|
お礼、
T&Mコーポレーションは設立5年ですが、おかげさまで業績を着実に伸ばしており、
オフィスを港区芝(最寄り駅浜松町)に移転し、スペースも拡大いたしました。
電子計測器業界の「ゲームチェンジャー」として、高性能/高信頼/低価格/短納期を武器に
T&Mコーポレーションはお客様のご予算を最大限生かす製品群をご提案させていただいております。












T&M
即納ストア