シグナル・ジェネレータとは?

シグナル・ジェネレータ(Signal Generator)とは、電子回路や無線通信機器の評価・試験・設計において、特定の波形や周波数を持った信号を人工的に生成する装置です。
「信号発生器」とも呼ばれ、周波数・振幅・変調方式などを自由に設定できるため、電子機器の性能確認に欠かせない測定器のひとつです。


主な用途

  • 回路設計や開発段階での動作確認

  • 通信機器のRF特性テスト

  • オシロスコープやスペアナのキャリブレーション用信号源

  • アンプやフィルタの周波数応答確認

  • EMC評価やノイズ試験用の擬似信号生成


シグナル・ジェネレータの種類

種類 特長・用途
ファンクションジェネレータ サイン波、方形波、三角波など基本波形に対応
任意波形ジェネレータ(AWG) ユーザーが定義した複雑な波形を出力できる
RF信号発生器 高周波(数GHz以上)のCW/変調信号を出力
パルスジェネレータ 高速な立ち上がりのパルスを生成、デジタル回路向け
ノイズジェネレータ ホワイトノイズなどを生成し、耐ノイズ試験に使用

主な出力パラメータ

  • 周波数(例:1Hz~3GHz)

  • 振幅(出力レベル)(例:–130 dBm ~ +20 dBm)

  • 波形の種類(サイン波/方形波/三角波/任意波形)

  • 変調方式(AM, FM, PM, FSK, IQ変調など)

  • シーケンス制御・バースト出力


シグナル・ジェネレータの選び方

選定時には以下のポイントを確認しましょう。

  1. 必要な周波数帯域(測定対象に応じて MHz〜GHz)

  2. 波形の種類・変調機能

  3. 出力レベルの精度と範囲

  4. 出力ポートのインピーダンス(通常50Ω)

  5. 通信インターフェース(USB / LAN / GPIB)

  6. 外部制御や自動化試験の必要性


代表的なシグナル・ジェネレータ例

  • SIGLENT SDGシリーズ(ファンクション/任意波形)
     高分解能とコストパフォーマンスの両立、教育・開発に最適

  • SIGLENT SSG5000A/SSG6000Aシリーズ(RF信号発生器)
     IQ変調・広帯域・低フェーズノイズ、高精度なRF評価に対応


まとめ

シグナル・ジェネレータは、波形を自在に生成できる万能な信号源であり、設計・評価・実験・量産テストまで幅広い現場で活用されています。
使用目的に応じて、波形の種類・周波数帯域・変調機能などを比較検討し、適切なモデルを選ぶことが重要です。