ファンクションジェネレータとは?
ファンクションジェネレータ(Function Generator)とは、電子回路や機器の試験に使用される波形信号を発生する装置です。
サイン波・方形波・三角波などの基本波形を自由に出力でき、回路の動作確認・周波数特性試験・応答測定など、さまざまな用途に使用されます。
主な出力波形
ファンクションジェネレータでは、次のような代表的な波形を生成できます:
波形種類 | 用途例 |
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サイン波 | フィルタ特性、アンプ応答、音響試験など |
方形波(矩形波) | デジタル回路のクロック信号、スイッチング特性の確認 |
三角波・鋸波 | モーター制御、リニア応答試験など |
パルス波 | 遅延測定、応答確認、トリガ信号の発生など |
ノイズ波形 | 耐ノイズ性の確認、EMC対策の基礎試験 |
一部のモデルでは、任意波形(Arbitrary Waveform)にも対応しています。
ファンクションジェネレータの主な用途
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アナログ回路の動作確認
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フィルタ・アンプ・センサの周波数応答測定
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デジタル回路のクロック・トリガ信号の入力
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パルス応答・立ち上がり時間の評価
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オシロスコープの基準信号源としての使用
ファンクションジェネレータの主な仕様項目
項目 | 内容例 |
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周波数範囲 | 数mHz~数MHz/GHz(モデルによる) |
出力振幅 | 数mV~数V、50Ω終端時で調整可能 |
出力インピーダンス | 通常50Ω(外部回路に合わせる必要あり) |
周波数分解能 | 非常に細かく設定可能(例:1μHz単位) |
その他機能 | スイープ、バースト、変調(AM/FM/PM)、DCオフセットなど |
任意波形ジェネレータ(AWG)との違い
比較項目 | ファンクションジェネレータ | 任意波形ジェネレータ(AWG) |
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波形の種類 | 基本波形が中心(サイン・矩形・三角など) | ユーザーが任意に作成した複雑な波形も出力可 |
応用範囲 | 一般的な回路試験や教育用途に最適 | 通信波形・非線形応答試験・専用信号に対応 |
操作性 | 簡単で直感的 | やや高度な設定が必要 |
ファンクションジェネレータの選び方
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最大周波数:測定対象の周波数に十分対応できるか
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出力精度・安定性:再現性のある測定のために重要
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波形の種類・変調機能:必要な試験に対応しているか
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インターフェース:USB/LAN制御、自動試験環境に対応できるか
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デュアルチャネルやバースト機能の有無
まとめ
ファンクションジェネレータは、電気信号を任意の波形で発生させる汎用測定器で、電子設計・評価・教育現場などで広く使われています。
対象波形・周波数・出力レベルなどの要件に応じて、最適なモデルを選定することで、試験効率と精度が大きく向上します。