●SMU とは?

SMU とは、ソース・メジャー・ユニットの略称で、デジタル・マルチメータ(DMM)、電源、電子負荷、 任意波形発生機能の 4 つの機能を 1 台に統合した計測器です。


SMU1 台で下記のような試験が実現可能です。

• 電圧または電流の印加と、電圧または電流の測定を 4 象限で同時に実行することが出来ます。
• 抵抗の測定やダイオードの測定はもちろん、複数チャンネルの制御・測定が必要なトランジスタの測定 や DCDC コンバータの測定など、1 台の機器で幅広いアプリケーションをカバーできます。
• 高精度 DMM と同等の 6.5 桁の高分解能で、微小電圧・微小電流から高電圧・大電流の測定が可能です。

 

       

 

複数の DMM や電源などを組み合わせて行っていた測定を、SMU1 台で行うことが可能ですので、配線接 続変更の手間や自動化プログラムからの制御が簡単になります。

●具体例

具体例として、フォトカプラの測定例を示します。

フォトカプラの主な IV 電気的特性試験項目は下記のとおりです。


・発光側 順電圧 VF
 :発光側の LED に試験電流 IF を流した際に、LED 端子間に発生する電圧 VF を測定する。

・発光側 逆電流 IR
 :発光側の LED に逆電圧 VR を印加した際に、LED に流れる電流 IR を測定する。

・受光側 コレクタ・エミッタ間降伏電圧 V(BR)CEO
 :発光側の LED は OFF、受光側のコレクタ-エミッタ間に試験電流 IC を流した際に、コレクタ-エミ ッタ間に発生する電圧 V(BR)CEO を測定する。

・受光側 エミッタ・コレクタ間降伏電圧 V(BR)ECO
 :発光側の LED は OFF、受光側のエミッタ・コレクタ間に試験電流 IE を流した際に、エミッタ・コレ クタ間に発生する電圧 V(BR)ECO を測定する。

・変換効率 IC/IF
 :受光側のコレクタ-エミッタ間に試験電圧 VCE を印加、発光側の LED に試験電流 IF を流した場合 に、コレクタ-エミッタ間に流れるコレクタ電流 IC を測定し、変換効率を IC/IF として求める。

上記測定を、DMM 2 台と電源 2 台を組み合わせて行う場合の測定接続例は下記の様になります。

       

 

 

測定項目によって、電源のモードを電圧印加/電流印加、DMM のモードを電圧測定/電流測定に変更し たり、配線接続を変更する必要があり、誤配線などによる測定ミスのリスクがあります。
また、大量のデバイスや様々な品種を測定する場合、効率化のためプログラムによる自動化が有効ですが、 4 台の機器に制御コマンドを送る必要があり、プログラミングの難易度が高くなります。



●DMM2 台、電源 2 台の測定を、SMU1 台に置き換え
DMM2 台、電源 2 台で行っていた測定を、SMU(TH1992B, 2ch モデル)1 台に置き換えた測定接続例で す。

       

 

 

SMU を使うと、測定器の配線接続を変える必要がありませんので、誤配線のリスクは無くなります。
また、プログラムによる自動化についても、SMU1 台を制御するだけで良いので、より簡単に制御プログ ラミングを作成することが可能となります。 複数の DMM や電源などを使用した試験環境を SMU に置き換えることで、業務効率が大幅に改善し、設 備投資による生産性向上などの効果も見込めます。



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