オシロスコープ完全ガイド|基礎から機種選定まで全解説
**オシロスコープ(Oscilloscope)**は、電圧信号の時間的な変化を視覚的に表示する測定器で、電子回路や通信信号の解析に欠かせない存在です。
本ガイドでは、「これから使う方」「選び方に迷っている方」「より高度な活用をしたい方」へ向けて、基本原理から製品比較、12bitモデルの紹介まで網羅的に解説します。
1. オシロスコープとは?
オシロスコープは、横軸に時間(Time)、縦軸に**電圧(Voltage)**を取り、波形として信号をリアルタイムに表示します。
アナログ信号、デジタル信号、通信波形、ノイズ波形など、目に見えない電気信号を可視化できることが最大の特徴です。
2. 用途別の活用例
分野 | 活用例 |
---|---|
教育 | 電子実験、波形観察、学習教材 |
開発 | マイコンI/O、アナログ回路の信号確認 |
通信解析 | UART/SPI/I²C/CANなどのデコード |
ノイズ解析 | リップル/スパイク/ジッタの確認 |
保守現場 | 機器の信号異常の診断・記録 |
3. オシロスコープの種類
■ 据置型
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安定性と多機能性を重視
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研究開発、製造ラインに多く導入
■ ハンディ型/バッテリー内蔵型
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可搬性重視。保守現場や出張点検に最適
■ USB接続型(PC制御タイプ)
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PCで制御・保存できる省スペース設計
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在宅ワークや自動測定システムに好適
4. スペックの見方
項目 | 意味 | 推奨値の目安(一般用途) |
---|---|---|
帯域幅(MHz) | 測定できる最高周波数 | 100MHz〜200MHz |
チャンネル数 | 同時測定可能な信号数 | 2ch~4ch |
サンプリングレート | 波形の取得精度 | 1GSa/s以上推奨 |
メモリ長 | 記録できる波形の量 | 7Mpts〜70Mpts以上 |
垂直分解能 | ADCの精度(例:8bit/12bit) | 12bitが高精度モデル |
5. 代表的モデル紹介(T&M取扱品)
✅ SIGLENT製
モデル名 | 特長 |
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SDS1104X-E | 高コスパ・教育や入門に最適 |
SDS3000X HD | 12bit・精密測定向け |
SDS7000A | 最高3GHz/先端研究開発向け |
✅ OWON製
モデル名 | 特長 |
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ADS800/ADS900シリーズ | 12bit対応・教育/開発向け高コスパモデル |
SDS1104 | 100MHz 4ch・教育現場の定番 |
HDS200シリーズ | ハンディ型・DMM機能内蔵 |
6. よくある質問(FAQ)
Q. 何MHzを選べば良い?
→ 一般的なデジタル回路は100MHz前後で十分。アナログや高速通信には200MHz以上が必要です。
Q. チャンネル数は2chで足りますか?
→ 基本は2chでOK。4chなら複数信号の比較や差動測定も可能です。
Q. 12bitモデルは誰向け?
→ 電源解析、医療・IoTセンサ開発など高精度な測定が必要な用途に最適です。
7. 導入・購入について
T&Mコーポレーションでは、SIGLENT・OWONなどの製品を日本総代理店として販売・サポートしています。
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まとめ
オシロスコープは、「電気信号を“見える化”するための最も基本かつ重要な測定器」です。
初心者でも扱いやすい製品から、最先端の研究開発まで対応できるモデルが揃っています。
正しい選定・使い方を学ぶことで、測定精度も業務効率も大きく向上します。