pA計 TECHMIZE 型式:TH2691A【国内正規品】

半導体におけるキャリア濃度とは、半導体材料中に存在する自由電子と**正孔(ホール)**の数を単位体積あたりで表したものです。電流を運ぶ役割を果たすこれら「キャリア」の密度を示す重要な指標であり、半導体の電気特性を決定づけます。単位は通常、$\text{cm}^{-3}$で表されます。


 

キャリアの種類

 

半導体には主に2種類のキャリアが存在します。

  • 自由電子(電子濃度:n)

    伝導帯にある電子のことで、負の電荷を持ち、電場をかけると移動して電流を生み出します。

  • 正孔(正孔濃度:p)

    価電子帯において電子が抜けた穴のことで、正の電荷を持つ粒子として振る舞い、電場をかけると電子とは逆方向に移動して電流を生み出します。


 

キャリア濃度の重要性

 

キャリア濃度は、半導体デバイスの性能に直接影響します。

  • 導電率の制御: キャリア濃度が高いほど、電流が流れやすくなり、導電率が高くなります。

  • デバイス特性の最適化: トランジスタやダイオードなどの動作速度や電圧特性は、キャリア濃度によって調整されます。

 

真性半導体と不純物半導体

 

半導体は、純粋な状態の真性半導体と、不純物を添加した不純物半導体に分けられ、キャリア濃度はそれぞれ異なります。

  • 真性半導体

    不純物を含まない純粋な半導体で、熱エネルギーによって価電子帯から伝導帯へ電子が励起することで、電子と正孔が同数発生します。この時のキャリア濃度を真性キャリア濃度(ni​)と呼び、n=p=ni​ の関係が成り立ちます。

  • 不純物半導体

    意図的に不純物(ドーパント)を添加することで、キャリア濃度を制御した半導体です。

    • n型半導体: 電子を供給する不純物(ドナー)を添加したもので、電子が多数キャリアとなります。 となり、電子濃度が支配的です。

    • p型半導体: 正孔を供給する不純物(アクセプタ)を添加したもので、正孔が多数キャリアとなります。 となり、正孔濃度が支配的です。

キャリア濃度は、半導体のドーピング濃度温度バンドギャップなどの要因によって変化し、半導体デバイスの設計や製造において非常に重要なパラメータです。

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