スイープ機能・ロギング機能とは
~電源・SMU・測定器を使いこなすための基礎知識~
スイープ機能(Sweep Function)とは?
スイープ(Sweep)機能とは、電圧や電流を一定のステップまたは連続的に変化させながら、対応する測定値を自動的に記録する機能です。これにより、デバイスの電圧-電流(I-V)特性や出力特性を視覚化することができます。
代表的なスイープタイプ:
-
リニアスイープ:一定間隔で直線的に増減(例:0V→5Vを0.1V刻みで)
-
対称スイープ:+範囲から–範囲まで往復(例:–5V→+5V→–5V)
-
ログスイープ:対数的に変化(小信号領域の解析に有効)
主な用途:
-
トランジスタやFETのI-Vカーブ測定
-
太陽電池・ダイオードの順逆バイアス評価
-
材料やセンサーの電気的応答解析
ロギング機能(Logging Function)とは?
ロギング(Logging)機能とは、一定の時間間隔で電圧・電流・抵抗などの測定値を連続的に記録し、データログとして保存する機能です。長時間にわたる挙動の変化や安定性、ドリフトなどの解析に有効です。
ロギングの代表的な設定項目:
-
サンプリング間隔(例:1ms、1sなど)
-
記録時間(例:10分、24時間、1週間)
-
トリガー条件(変化量や外部トリガー)
主な用途:
-
センサーやバッテリーの長時間安定性試験
-
熱による特性変化の観察
-
電源立ち上がり特性やドロップ解析
スイープ機能とロギング機能の違いと使い分け
項目 | スイープ機能 | ロギング機能 |
---|---|---|
測定対象 | パラメータ変化に対する特性 | 時間経過による変化 |
制御パラメータ | 電圧または電流 | 時間(周期) |
解析目的 | デバイスの特性カーブ取得 | 長時間の安定性・ドリフト解析 |
代表機能 | I-Vスイープ、4象限スイープ | ロングタイム記録、トレンド観察 |
スイープ/ロギング機能を備えた代表的な測定器例
-
Techmize TH199X / TH510 シリーズ
-
高精度のI-Vスイープ/パルススイープ機能
-
μV / pAレベルでの高感度測定
-
PCソフトウェアによるリアルタイムロギング対応
-
-
Keithley 2400/2450/2600 シリーズ
-
SCPI制御対応、LabVIEWやPython連携
-
長時間データロギングに強い
-
-
SIGLENTなどの電源・DMM製品
-
ログ機能付きプログラマブル電源やマルチメータも
-
まとめ
スイープとロギング機能は、電子デバイスの評価・特性解析・品質管理に不可欠なツールです。
-
デバイスの入力と出力の関係を把握するにはスイープ機能
-
時間とともにどう変化するかを把握するにはロギング機能
これらの機能を活用することで、効率的かつ定量的な評価が可能になります。
今後、評価の自動化やソフトウェア連携を考えている場合も、スイープ/ロギング機能が充実したSMUや電源を選ぶことをおすすめします。