インピーダンス・アナライザ  TECHMIZE 型式:TH2851-130【10Hz-130MHz】

ダイアタッチにおける焼結銀とは、銀ナノ粒子をペースト状にしたものを接着剤として使い、半導体チップと基板を接合する技術です。この方法は、高温での信頼性が求められるパワー半導体などの分野で注目されています。


 

焼結銀の仕組みとメリット

 

焼結銀は、融点が962℃の銀をナノサイズ(nm: 10億分の1メートル)に微細化することで、銀の融点が下がる「融点降下」という現象を利用しています。この特性により、200℃〜300℃程度の比較的低い温度でペーストを加熱するだけで、銀粒子同士が結合し、強固な銀の接合層が形成されます。

 

主なメリット

 

  • 高い耐熱性: 焼結によってできた接合層の融点は元の銀と同じく962℃に近いため、はんだ(約220℃)に比べて非常に高い耐熱性を持ちます。これにより、高温で動作する半導体にも適用できます。

  • 優れた熱伝導性: 銀は金属の中でも高い熱伝導率を持つため、発熱量の多い半導体から効率的に熱を逃がすことができます。

  • 高い接合強度: 焼結により銀粒子同士がしっかりと結合するため、高いせん断強度(ずれに対する抵抗力)が得られます。

  • 鉛フリー: はんだに代わる鉛フリーの接合材料として、環境負荷を低減できます。

 

焼結銀の課題

 

一方で、焼結銀にはコストが高い、接合に加圧が必要な場合があるなどの課題も存在します。しかし、近年では無加圧で接合できる製品も開発されており、これらの課題の解決が進められています。

半導体へのダイアタッチについて解説している動画です。

半導体のダイアタッチについて

  • 出典:バンドー化学株式会社