テスターの使い方

**テスター(マルチメーター)**は、電圧・電流・抵抗などを測定できる基本的な計測器です。電子工作、電気設備の保守点検、教育現場などで幅広く使われています。ここでは、**デジタル式テスター(DMM:Digital Multimeter)**の使い方を、初めての方にもわかりやすく解説します。


1. テスターの基本構成

  • 液晶画面:測定値を表示

  • 回転スイッチ(ダイヤル):測定モードの選択

  • テストリード(赤・黒):測定対象に接触させる導線

  • 端子(ジャック):リード線の差し込み口(一般的に3つ)


2. 使用前の準備

✅ 電池残量を確認する
✅ テストリード(赤・黒)を正しく差し込む

測定項目 差し込み位置
電圧・抵抗 赤:VΩ端子、黒:COM端子
電流(mA/A) 赤:mAまたは10A端子、黒:COM端子

3. 測定方法(基本3つ)

① 電圧の測定(直流/交流)

  • ダイヤルを 「DCV」または「ACV」 に合わせる

  • 赤:+側、黒:−側にそれぞれ当てる

  • 並列接続(※測定対象に対して横に接続)

📝 例:乾電池の+と−を測る、コンセント電圧を測る


② 抵抗の測定(Ω)

  • ダイヤルを 「Ω」 に合わせる

  • 抵抗器や導通状態を測る(配線がつながっているか)

  • 回路の電源は必ずOFFにしてから測定すること

📝 ブザー付きの「導通チェック」機能がある機種も便利です


③ 電流の測定(直流/交流)

  • ダイヤルを 「DCA」または「ACA」 に合わせる

  • 直列接続で測定対象の回路を一度開いて挿入する

  • 電流レンジによって、端子を「mA端子」または「10A端子」に変更

⚠️ 電流測定は機器に負担がかかるため、測定後はすぐに端子を戻すことを推奨します。


4. 使用時の注意点

注意点 解説
モード設定ミス 電圧を測ろうとして電流モードのままだとショートや故障の原因に
レンジ設定(手動式) 表示が「1」や「OL(オーバーレンジ)」になったら、レンジを上げる
テストリードの接触 プローブがしっかり対象に触れていないと不安定な値になる
高電圧測定時の安全 一定の絶縁・カテゴリ(CAT II〜IV)に対応した機種を選ぶ

5. 測定後の処理

  • テスターの出力をOFF(またはダイヤルをOFF)に戻す

  • テストリードを外して巻き取り収納

  • 電池の消耗を防ぐため、長期間使わない場合は電池を抜いておくとよい


まとめ

テスターは、使い方の基本さえ押さえれば誰でも安全に電気測定ができる便利なツールです。
特に電圧・抵抗・電流の3つの測定方法を理解しておくと、家庭のメンテナンスから電子工作、開発業務まで幅広く活用できます。まずは安全第一で、少しずつ慣れていきましょう。