
デジタル簡易無線局(RZSSB)とは、実数零点単側波帯変調(Real Zero Single Side Band)という変調方式を用いたデジタル簡易無線局のことです。
📌 デジタル簡易無線局
デジタル簡易無線局は、業務やレジャーなど幅広い用途で利用できる無線局です。特定小電力無線よりも広範囲での通信が可能で、アナログ無線に比べて音質がクリアで秘話性が高いという特徴があります。
📌 RZSSB方式とは
RZSSBは、音声信号を電波に乗せるための変調方式の一つです。
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送信部は、振幅変調の一種であるSSB(単側波帯)方式を使用します。
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受信部は、FM方式をデジタル処理して音声を取り出します。
この方式は、従来のFM方式よりも占有する周波数帯域が狭いのが特徴です。具体的には、従来のFM方式が25kHzを必要とするのに対し、RZSSB方式ではその約5分の1にあたる5kHzで通信が可能です。これにより、電波のひっ迫を緩和できるという利点があります。
RZSSBの主な特徴
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狭帯域: 占有周波数帯域が狭いため、電波資源を効率的に利用できます。
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フェージングに強い: 受信側でリミッタがかけられるため、電波の減衰による影響を受けにくいです。
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デジタル処理: デジタル通信であるため、クリアな音質と秘話性を確保できます。
デジタル簡易無線局には、このRZSSB方式の他にも、π/4QPSK(四分のπシフト四相位相変調)や4値FSK(四値周波数偏位変調)といった変調方式が認められています。
デジタル簡易無線局のRZSSB(実数零点単側波帯変調)の周波数帯域は、主に150MHz帯と400MHz帯です。
デジタル簡易無線は、使用目的や周波数帯によって「免許局」と「登録局」に分かれます。
免許局
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VHF帯:154MHz帯(154.44375MHz~154.61250MHz)
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UHF帯:467MHz帯(467.00000MHz~467.40000MHz)、465MHz帯、468MHz帯
登録局
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UHF帯:351MHz帯(351.16875MHz~351.38125MHz、351.20000MHz~351.38125MHz)
RZSSBは、デジタル簡易無線の変調方式の一つであり、これらの周波数帯域で利用されています。他の変調方式には、π/4シフトQPSKや4値FSKがあります。これらの変調方式は互いに通信できません。
デジタル簡易無線は、業務連絡やレジャーなど幅広い用途で利用されています。免許局は業務用、登録局は業務用とレジャー用の両方で利用できます。
参考:一般社団法人電波産業会(ARIB)
ARIB STD-T121 400MHz帯デジタル船上通信設備
T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による 400MHz帯の評価に必要な電子測定器、システムの提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
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