ハンドヘルド オシロスコープとは?
ハンドヘルド・オシロスコープ(Handheld Oscilloscope)とは、片手で持ち運べるサイズに設計された携帯型のオシロスコープです。
据え置き型(ベンチトップ型)と同様に電気信号の波形を観測できますが、バッテリー駆動対応・軽量・頑丈といった特長があり、現場作業やフィールド測定に最適です。
ハンドヘルドオシロスコープの特長
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バッテリー内蔵で電源がない場所でも使用可能
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小型・軽量で持ち運びが簡単
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現場保守・電源設備・教育用途などに対応
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一部モデルはマルチメータ機能も搭載(2-in-1)
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耐振動・防塵・防滴設計のモデルも存在
ハンディ/タブレット型との違い
タイプ | 特長 |
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ハンドヘルド型 | 手に収まるサイズ。基本操作を物理ボタンで行う |
タブレット型 | タッチパネル操作、大画面で見やすく視認性に優れる |
ベンチトップ型 | 据え置き式、高性能だが大型で可搬性に乏しい |
※「ハンドヘルド」と「ハンディ」はほぼ同義で、メーカーやユーザーの表現の違いによるものです。
ハンドヘルドオシロスコープの用途例
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現場での電源や信号ラインの点検
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工場設備の保守・保全
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電気工事やメンテナンス作業
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教育機関での電子回路実習
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バッテリー駆動装置やモバイル機器の調査
人気のハンドヘルドオシロスコープ例
モデル名 | 帯域幅 | チャンネル数 | 特長 |
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OWON HDS200 | 40~100MHz | 2ch | DMM一体型、小型、現場測定に最適 |
Micsig ATOシリーズ | 100~200MHz | 2ch | タッチパネル操作、12bit分解能、高精細表示 |
SIGLENT SHS800X | 70MHz~ | 2ch | 高耐久、測定記録機能、電力解析にも対応可能 |
選び方のポイント
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帯域幅とサンプリング速度は測定対象に適しているか?
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持ち運びやすいサイズ・重量か?
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バッテリー駆動時間は十分か?
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マルチメータ機能や通信機能(USB、Wi-Fi等)は必要か?
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屋外使用のための堅牢性があるか?
まとめ
ハンドヘルド・オシロスコープは、手軽に信号を可視化できる便利なツールです。
特に、据え置き型が使えない屋外作業や現場測定では、その機動性と実用性が大きな武器となります。
用途や環境に応じて、帯域幅・操作性・バッテリー性能を比較しながら選定することが重要です。