
透明RIS技術とは、透明な材質でできており、電波を反射・透過・屈折させるなどの制御を動的に行える薄い板状のデバイスです。
この技術は「メタサーフェス」という、電磁波の波長よりもはるかに小さい微細な構造体を周期的に並べた人工的な表面を利用しています。この微細な構造体を電気的に制御することで、電波の進む方向や強度を自由に操れるのが特徴です。
透明RIS技術の仕組み
透明RIS技術の核となるのは、ガラスなどの透明な基板上に配置された、透明導体でできた微細なアンテナ素子です。この素子に電圧をかけるなどの方法で特性を変化させることで、電波の反射・透過の度合いや位相を動的に制御します。
たとえば、窓ガラスに透明RISを設置すれば、外からの電波を室内に集めたり、特定の方向に電波を強く飛ばしたり、あるいは電波を反射させて盗聴を防いだりすることも可能になります。
透明RIS技術のメリット
-
景観を損なわない 🏙️: 透明なため、窓ガラスや建物の壁面など、景観を重視する場所に設置しても目立ちません。
-
電波環境の最適化 📡: ビルが密集したエリアや屋内など、電波が届きにくい場所でも、電波の経路を調整することで通信品質を改善できます。
-
設置の柔軟性 🤸: 薄くて軽量なため、設置場所の選択肢が広く、従来のアンテナの設置が難しい場所にも応用可能です。
-
エネルギー効率の向上 🔋: 電波を効率的に利用することで、基地局の消費電力を削減できる可能性があります。
この技術は、Beyond 5Gや6Gといった次世代の無線通信ネットワークにおいて、通信エリアの拡大や通信品質の向上を実現するための重要な技術として期待されています。
参考:NTTドコモ NTT技術ジャーナル
5G evolution & 6Gに向けた透明RIS技術の研究
T&MコーポレーションではNEXTEM社と協調してSIGLENT社、Ceyear社の電子計測器(スペアナ, VSG, VNA等)による システム提案を行っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご相談くださいませ。
https://tm-co.co.jp/contact/