電源 ノイズ対策

(電源由来のノイズを抑えるために)

電子回路や測定器の安定動作には、「電源ノイズ」をいかに抑えるかが重要なポイントになります。
本項では、電源ノイズの種類と原因、そして実際に行える対策方法についてわかりやすく解説します。

 

電源ノイズとは?

電源ノイズとは、電源から出力される意図しない電気的な変動・ゆらぎのことです。
このノイズが回路や測定機器に影響を与えると、誤動作・測定誤差・信号の歪みなどにつながります。

主なノイズの種類

種類 概要
リップルノイズ 電源の整流回路から生じる周期的な揺らぎ
スイッチングノイズ スイッチング電源に多く見られる高周波ノイズ
コモンモードノイズ GND基準での共通ノイズ、外来ノイズ由来が多い
ノーマルモードノイズ 信号線に沿って流れるノイズ

 

ノイズ対策の基本

① 低ノイズ電源の選定

  • アナログ回路や高精度測定用途にはリニア電源が適しています。

  • リップルやノイズ特性(mVrms)の仕様を確認しましょう。

② フィルタの導入

  • 電源ラインにLCフィルタやフェライトビーズを挿入することでノイズを減衰できます。

③ 配線の工夫

  • 信号線と電源線を離す・交差させない

  • 配線をなるべく短く・直線的に

  • シールドケーブルの活用やGNDの適切な接地も重要です

④ シャーシ接地とGND設計

  • コモンモードノイズを減らすには、筐体(シャーシ)とGNDの適切な接続が重要です。

  • グランドループにも注意しましょう。

⑤ スコープ等で波形確認

  • オシロスコープでノイズ波形を観測し、発生源を特定するのも有効です。

  • 高感度プローブや差動プローブが活躍します。

 

ノイズに強い製品選びのヒント

項目 推奨要素
出力の安定性 リニア式電源
リップル・ノイズ仕様 数mVrms以下を目安に
インターフェースノイズ USB絶縁 / フローティング出力など
GND設計 フローティング or シャーシ接地選択式

 


T&Mコーポレーションでは、低ノイズ・高安定な直流電源や、ノイズ測定に最適なオシロスコープ/差動プローブなども多数取り扱っています。
ノイズ対策に関するご相談もお気軽にお問い合わせください。