アクティブプローブとは

アクティブプローブ(Active Probe)とは、オシロスコープに接続して使用する高性能なプローブで、内部に増幅回路(アンプ)などの能動素子を備えているのが特徴です。パッシブプローブに比べて、高周波信号や高インピーダンス回路の測定に適しており、より高精度な波形観測が可能です。


特徴と利点

  • 広い帯域幅(数GHzまで対応可能)

  • 高入力インピーダンスで微小信号の観測に有効

  • プローブ自体で信号を増幅し、波形の劣化を抑制

  • 高密度回路や高速デジタル信号に最適


パッシブプローブとの違い

項目 アクティブプローブ パッシブプローブ
内部構造 増幅回路あり 抵抗・コンデンサのみ
帯域幅 高帯域(〜数GHz) 一般的に数百MHz程度
入力インピーダンス 非常に高い(数MΩ以上) 標準的(10MΩ)
電源供給 必要(USBまたは外部) 不要
価格 高価 比較的安価
主な用途 高速・微小・高インピーダンス測定 一般信号の観測

主な用途

用途 説明
高速デジタル回路の測定 クロック信号や高速バスのタイミング解析など
微小信号の観測 mV単位の信号、センサ出力など
高インピーダンス回路 オペアンプの入力など、負荷をかけずに測定が必要な場合
高帯域RF信号の確認 GHz帯のアナログ信号の波形確認など

使用時の注意点

  • 電源供給が必要:USBや専用電源モジュールなど、事前準備が必要です。

  • 静電気や過電圧に注意:内部回路が繊細なため、過入力で破損するリスクがあります。

  • 帯域・最大入力電圧を必ず確認:スペック以上の信号を入力しないこと。


アクティブプローブの選定ポイント

選定項目 解説
帯域幅 測定したい信号の周波数帯域より十分に広いモデルを選ぶ
入力インピーダンス 測定対象に影響を与えないよう、必要に応じて高インピーダンス品を選ぶ
最大入力電圧 高電圧信号の測定には専用の高耐圧アクティブプローブを選定
電源方式 USB電源、外部電源、オシロスコープからの供給などを確認

まとめ

アクティブプローブは、より高精度な信号観測や高速信号の解析に欠かせないツールです。特に、パッシブプローブでは測定が難しい微小信号や高周波信号に対応できるため、電子回路の開発・検証の現場で幅広く活用されています。正しい選定と使用により、測定の精度と信頼性を大きく向上させることができます。