
エレクトロメータでCV測定はできます。
ただし、LCRメーターのような交流信号でのC-Vメーターとは測定方法が異なります。一般的に、エレクトロメータは電流や電圧を高精度で測定する機器であるため、以下の2つの手法でC-V測定が可能です。
1. Quasi-Static C-V(準静的C-V)測定
この手法は、エレクトロメータの最も一般的なC-V測定方法です。
デバイスに非常にゆっくりとした電圧ステップを印加し、その際に流れる微小な電流をエレクトロメータで測定します。
この電流を時間で積分することで、電圧変化に対する電荷の変化量(ΔQ)を求め、そこから静電容量(C)を計算します。
この方法では、デバイスの応答が十分追従できるような低い周波数(通常1Hz以下)でのC-V特性を評価できます。
2. Low-Frequency C-V(低周波C-V)測定
この手法では、デバイスにDCバイアス電圧を印加しつつ、さらに微小なAC信号を重畳させます。
このときデバイスに流れるAC電流をエレクトロメータで測定し、AC電圧とAC電流の位相差からキャパシタンスを算出します。
この方法も、準静的C-Vと同様に低周波での測定に適しています。
どちらの手法でも、エレクトロメータの持つ高感度・高入力インピーダンスという特長が活かされ、特に微小な静電容量を持つデバイスや、リーク電流が大きいデバイスのC-V特性評価に非常に有効です。
LCRメータによるC-V測定は別項目で紹介します。
参考:
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1. 測定系の準備:
- 準静的C-V測定には、低周波電源(0.01Hz~10Hz程度)と高周波電源(1MHz程度)が必要です。
- LCRメーターやC-V測定装置などを用いて、ゲート電極に電圧を印加し、容量を測定します。
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2. 測定:
- 低周波電源でゲート電極に電圧をゆっくりと掃引し、その時の容量を測定します(準静的C-V特性)。
- 高周波電源でゲート電極に電圧を掃引し、その時の容量を測定します(高周波C-V特性)。
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3. 解析:
- 準静的C-V特性と高周波C-V特性を比較し、界面準位密度を算出します。
- 準静的C-V特性と高周波C-V特性を比較し、界面準位密度を算出します。