pA計 TECHMIZE 型式:TH2691A【国内正規品】

エレクトロメータでCV測定はできます

ただし、LCRメーターのような交流信号でのC-Vメーターとは測定方法が異なります。一般的に、エレクトロメータは電流や電圧を高精度で測定する機器であるため、以下の2つの手法でC-V測定が可能です。


 

1. Quasi-Static C-V(準静的C-V)測定

 

この手法は、エレクトロメータの最も一般的なC-V測定方法です。

デバイスに非常にゆっくりとした電圧ステップを印加し、その際に流れる微小な電流をエレクトロメータで測定します。

この電流を時間で積分することで、電圧変化に対する電荷の変化量(ΔQ)を求め、そこから静電容量(C)を計算します。

この方法では、デバイスの応答が十分追従できるような低い周波数(通常1Hz以下)でのC-V特性を評価できます。


 

2. Low-Frequency C-V(低周波C-V)測定

 

この手法では、デバイスにDCバイアス電圧を印加しつつ、さらに微小なAC信号を重畳させます。

このときデバイスに流れるAC電流をエレクトロメータで測定し、AC電圧とAC電流の位相差からキャパシタンスを算出します。

この方法も、準静的C-Vと同様に低周波での測定に適しています。

どちらの手法でも、エレクトロメータの持つ高感度・高入力インピーダンスという特長が活かされ、特に微小な静電容量を持つデバイスや、リーク電流が大きいデバイスのC-V特性評価に非常に有効です。

 LCRメータによるC-V測定は別項目で紹介します。

参考:

Quasi-Static C-V(準静的C-V)とは、半導体デバイスの界面準位密度を評価する方法の一つで、非常に低い周波数(準静的)の電源と高周波電源を用いて、C-V特性(容量-電圧特性)を測定し、界面準位密度を求める方法です。
 
詳細:
 
  • C-V特性とは:
    半導体デバイスのゲート電極に電圧を印加したときの容量の変化を測定したものです。
  • 半導体と絶縁膜の界面に存在する、電子やホールを捕獲・放出する欠陥のことです。
  • 準静的測定:
    非常に遅い電圧変化(低い周波数)で測定することで、界面準位の状態を考慮に入れたC-V特性を測定できます。
  • 高周波測定:
    高い周波数(例えば1MHz)で測定することで、界面準位の状態を考慮しないC-V特性を測定できます。
  • 準静的測定と高周波測定の結果を比較することで、界面準位密度を算出できます。
     
QSCV法の流れ:
  1. 1. 測定系の準備:
    • 準静的C-V測定には、低周波電源(0.01Hz~10Hz程度)と高周波電源(1MHz程度)が必要です。
    • LCRメーターやC-V測定装置などを用いて、ゲート電極に電圧を印加し、容量を測定します。
  2. 2. 測定:
    • 低周波電源でゲート電極に電圧をゆっくりと掃引し、その時の容量を測定します(準静的C-V特性)。
    • 高周波電源でゲート電極に電圧を掃引し、その時の容量を測定します(高周波C-V特性)。
  3. 3. 解析:
    • 準静的C-V特性と高周波C-V特性を比較し、界面準位密度を算出します。
       
QSCV法の応用:
MOSFETなどの半導体デバイスの信頼性評価、半導体-絶縁膜界面の特性評価、 材料開発。
 

 

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