オシロスコープの使い方について、初心者にも分かりやすいように基本操作~応用までを簡潔に解説いたします。


🧭 1. オシロスコープとは?

電圧の変化を時間軸に沿って波形表示する測定器。
回路の信号を目で“見える化”することで、ノイズ、波形の異常、周期などを確認できます。


🔌 2. 基本の接続と起動

操作手順 説明
① 電源を入れる 通常は背面または前面にあるスイッチでON。
② プローブを接続 CH1(CH2以降)端子にプローブを装着。
③ プローブのGNDを対象のGNDへ 必ずグランドを接続(ノイズ混入や誤測定を防止)。
④ テストポイントにプローブ先端を当てる 測定対象(例:IC出力)に接触させる。

🛠 3. 基本設定項目

項目 説明
Time/div(時間軸) 1目盛りあたりの時間幅。信号が速い場合は縮小、遅い場合は拡大。
Volt/div(電圧軸) 1目盛りあたりの電圧幅。信号に応じて調整。
トリガ(Trigger) 波形の安定化に必須。信号のどのタイミングで波形を固定表示するかを設定。
CH1 / CH2 など 複数チャンネルある場合、それぞれ個別に表示可能。

👀 4. よく使う操作

  • Auto(オートセット)ボタン
     → 波形を自動認識して最適設定。初心者に便利。

  • カーソル測定機能
     → 2点間の電圧差、時間差を数値で表示可能。

  • FFT機能(周波数解析)※対応モデルのみ
     → 波形を周波数成分に分解。ノイズやスペクトル確認に便利。


🧪 5. 測定事例(例)

測定対象 測定目的 設定例
クロック信号(1MHz) 正しく出力されているか Time/div:200ns, Volt/div:1V
スイッチON/OFF波形 過渡応答確認 Time/div:5ms, Trigger:立ち上がり
電源ラインのノイズ 高周波ノイズチェック FFT表示 or High帯域+拡大表示

📺 動画解説(おすすめ)

    • T&Mコーポレーション公式サイト・YouTubeチャンネル
       → OWONやSIGLENTなどのオシロスコープの実演・紹介動画を多数掲載しています。
       製品の使い方や比較解説もご覧いただけます。
       ▶ https://tm-co.co.jp/


📝 注意点

  • GNDの接続忘れに注意(測定ミスや破損の原因)。

  • 高電圧測定には適切なプローブ(例:10:1プローブ)を使用。

  • 人体や機器の安全を確保したうえで測定してください。