オシロスコープの高分解能とは?
オシロスコープの分解能(Resolution)とは、垂直軸(電圧)の最小の表示単位を指します。
一般的には ADC(アナログ-デジタル変換)ビット数で表され、ビット数が多いほど微細な信号変化を検出できる、つまり**「高分解能」**です。
■ 分解能の違い(例)
分解能(ビット) | レベル数(階調) | 特徴 |
---|---|---|
8ビット | 256段階 | 一般的な標準オシロスコープ |
10ビット | 1024段階 | 中精度。電源リップルなどに有利 |
12ビット | 4096段階 | 高分解能。小さなノイズや微細な波形を検出可能 |
14ビット以上 | 16384段階〜 | 高精度計測・研究用途(高価) |
■ なぜ高分解能が重要か?
-
微小な信号差を明確に観測できる
-
ノイズと波形の区別がしやすい
-
電源リップルやセンサ出力のような繊細な変化を測定できる
■ 高分解能モデルの活用例
用途 | 内容 |
---|---|
電源リップルの測定 | 数mVレベルの変動も見逃さない |
センサ信号の観測 | 微小なアナログ電圧変化を高精度に記録 |
モーターやインバータ制御波形 | 高速かつ高精細な波形解析が可能 |
パワーエレクトロニクス | GaN/SiC素子の高速スイッチ波形を正確に再現 |
■ T&Mコーポレーション取扱の高分解能対応モデル
製品名 | 分解能 | 特徴 |
---|---|---|
Micsig STO1104C | 12ビット | タブレット型。波形が滑らかで現場にも最適 |
SIGLENT SDS3000X HDシリーズ | 12ビット | 最大1GHz帯域。研究開発用途にも対応 |
Micsig MDO5004 | 12ビット | ベンチトップ型。500MHz、最大500Mptsメモリ |
SIGLENT SDS2000X HDシリーズ | 12ビット |
高帯域×高分解能のハイバランス機種 |
■ 補足:高分解能とノイズ
分解能が高くなると、**測定器自体のノイズレベル(ENOB:実効ビット数)**も重要になります。
そのため、単なるビット数だけでなく、ノイズ対策やフィルタ処理の質も比較ポイントです。
まとめ
-
高分解能オシロスコープは、微細な信号解析や高精度な電圧測定に最適
-
12ビットモデルは、標準的な8ビット機と比べて最大16倍の分解性能
-
T&Mでは、教育から開発・研究用途まで対応する12ビットモデルを多数取扱中