オシロスコープ プローブとは

オシロスコープ プローブは、電子回路の信号をオシロスコープへ正確に伝送するための測定用アクセサリです。プローブの性能や使い方によって、測定結果の正確さや安全性が大きく左右されます。


主なプローブの種類

種類 特徴と用途
パッシブプローブ 最も一般的。扱いやすく、通常は標準で付属。比較的低周波の測定に適している。
アクティブプローブ 内部に増幅回路を持ち、高インピーダンスや高速信号の測定に対応。微小信号や高速回路向き。
差動プローブ 2点間の電圧差を測定。高電位差・フローティング信号の測定に適する。
電流プローブ 電流を非接触またはシャント抵抗を用いて測定。電源回路やモーター駆動回路で使用される。
光アイソレーションプローブ 入力と出力を光で絶縁。高電圧環境や強いコモンモードノイズ環境下での安全測定に有効。

プローブの主要仕様と意味

項目 内容
帯域幅(Bandwidth) 測定可能な最高周波数。オシロスコープ本体と同程度以上が望ましい。
減衰比(Attenuation Ratio) 例:10:1、1:1など。高電圧測定時に信号を安全なレベルに変換。
入力インピーダンス 一般的に10MΩ。高すぎると回路に負荷を与えるおそれがある。
最大入力電圧 プローブが安全に扱える電圧範囲。絶対に超えてはならない。

プローブ使用時の注意点

  1. グラウンド接続を短く保つ
     グラウンドリードが長いと、ノイズやリンギングが発生しやすくなります。

  2. プローブ補正(キャリブレーション)を行う
     測定前には、オシロスコープのキャリブレーション端子を使ってプローブの補正を行いましょう。

  3. 測定対象と周波数帯に応じて適切なプローブを選定する
     高周波信号、微小信号、差動信号などは、専用のプローブが必要になります。


よくある用途別プローブの選び方

用途 推奨プローブタイプ
一般的な電子回路の測定 パッシブプローブ
高速デジタル信号の解析 アクティブプローブ
インバータやモータ駆動信号の測定 差動プローブまたはアイソレーションプローブ
電源回路の電流測定 電流プローブ
高電圧環境下の安全な測定 光アイソレーションプローブ

まとめ

オシロスコープの性能を最大限に引き出すには、測定対象や周波数帯に適したプローブを選定し、正しく使用することが不可欠です。特に高電圧や高周波の測定では、安全性と信頼性の高いプローブの活用が求められます。