オシロスコープ 波形とは?

― 電気信号の“かたち”を見て判断する基本ツール ―

**オシロスコープで表示される波形(はけい)**とは、電気信号の時間的な変化をグラフとして視覚化したものです。
縦軸に電圧、横軸に時間を取ることで、信号が「どんな形」「どんな周期」「どんな振幅」で動いているかを一目で確認できます。


📉 波形の基本構造

内容
横軸 時間(Time)
縦軸 電圧(Voltage)
波形とは 時間の流れに対して変化する電圧のグラフ

🔍 オシロスコープでよく見る波形の種類

波形名 特徴 主な用途
サイン波 なめらかな正弦曲線。最も基本的な交流信号 通信、音声信号、AC電源
矩形波(スクエア) ON/OFFがはっきりした2値の信号 デジタル信号、クロック信号
パルス波 短時間だけONになる矩形波 トリガ信号、タイミング信号
三角波 一定速度で上下する波形 オーディオ試験、モーター制御
ノコギリ波 緩やかに上昇し急激に下降(または逆) ランプ信号、スイープ信号
ノイズ波形 不規則に変化する波形。通常は好ましくない成分 回路の異常検出、EMI測定など

🧰 波形観測でわかること

  1. 信号の周期や周波数

  2. 電圧レベル(最大・最小・平均)

  3. パルス幅・立ち上がり時間

  4. 波形の歪みやノイズの有無

  5. 異常信号の検出(突発的なスパイクなど)


📐 波形の測定例

測定項目 内容
ピークtoピーク電圧 波形の最大電圧と最小電圧の差(Vpp)
周波数(Hz) 1秒間に繰り返す回数
デューティ比(%) ONとOFFの比率(主に矩形波・パルス波で使用)
ライズタイム 立ち上がりにかかる時間(10%→90%)
パルス幅 パルスがONになっている時間(時間軸の長さ)

🎯 波形を使った応用例

  • マイコンのGPIO信号確認

  • センサー出力の動作確認

  • パワー回路のスイッチング挙動分析

  • 通信波形(UART/I2C/SPIなど)の可視化

  • オーディオ信号の波形観測と歪み確認


📝 まとめ

  • オシロスコープの波形とは、電気信号を時間軸で可視化したグラフ

  • サイン波やパルス波など、波形の種類によって用途が異なる

  • 波形を観測することで、信号の状態や回路の異常を把握できる

  • 教育、設計、開発、保守まで、幅広い現場で活用されている