オシロスコープ 自動車用とは?
自動車用オシロスコープとは、自動車やEV(電気自動車)に搭載される電気信号の測定・解析を目的としたオシロスコープです。
車載センサ・ECU(電子制御ユニット)・CAN/LIN通信・イグニッション信号・バッテリー電圧波形など、多種多様な信号をリアルタイムで可視化・診断するために活用されます。
■ 自動車分野での主な用途
分野 | 具体的な測定内容 |
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故障診断・整備 | クランク角センサ波形、インジェクタ駆動波形、イグニッション信号、バッテリー電圧など |
車載ネットワーク解析 | CAN / LIN / SENTなどのシリアル通信波形、プロトコル解析 |
EV・HVシステム評価 | モーター駆動波形、インバータのスイッチング信号、絶縁測定 |
EMC・ノイズ評価 | 高速スイッチングによるリップル・異常波形観察 |
電源系診断 | スターター電流変化、DC-DCコンバータ挙動解析 |
■ 自動車用に求められるオシロスコープの条件
項目 | 推奨仕様・理由 |
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帯域幅 | 100MHz以上(車載信号の立ち上がりが速いため) |
チャンネル数 | 4ch以上推奨(複数センサ/ライン同時測定) |
プロトコル解析機能 | CAN / LIN / FlexRay などに対応していると便利 |
アイソレーションプローブ対応 | 高電圧/ノイズ環境下での安全な測定に必須 |
携帯性・バッテリ駆動 | 現場作業・屋外測定に有利 |
波形保存・画面共有 | USB / Wi-Fi / LAN 対応が望ましい |
■ T&Mコーポレーションおすすめ自動車向けモデル
製品名 | 特長 | 用途例 |
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Micsig STO1104C | タブレット型。100MHz/4ch/12ビット。CAN解析&Wi-Fi対応。 | 整備、診断、通信測定 |
Micsig MDO5004 | 500MHz/4ch/12ビット+長時間記録。電源・スイッチング信号も鮮明。 | EV/インバータ解析 |
SIGLENT SDS2104X Plus | 4ch/500MHz、CAN/LIN/SENTデコード機能搭載。 | 車載通信・ECU評価 |
OWON HDS2102S | 2chハンディ型、携帯に便利。CAN・イグニッション波形確認向け | 車載整備現場・出張作業 |
■ よくある活用例
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ディーラーや整備工場:点火波形やセンサ信号のトラブル解析
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電装品メーカー:通信タイミングや波形遅延の評価
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EV開発部門:絶縁差動プローブと組み合わせた高電圧評価
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学校・研修センター:自動車電装教育用に導入
まとめ
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自動車用オシロスコープは、高い波形再現性・多チャンネル・通信解析機能・耐ノイズ性能が求められる
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T&Mでは、現場向けから研究開発用まで対応するラインアップを正規取扱中
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CAN通信、インバータ評価、電源診断など自動車業界の実務に直結した機能を備えたモデルをご提案可能