オシロスコープでCAN通信をデコードするとは?
CAN(Controller Area Network)通信は、車載システムや産業機器で広く使用されているシリアル通信方式です。
CAN対応オシロスコープは、このCAN信号を**波形表示するだけでなく、通信内容(ID、データ)をリアルタイムに「デコード(解読・表示)」**する機能を搭載しています。
✅ CAN通信の特徴(おさらい)
項目 | 内容 |
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物理層 | 差動2線(CAN_H、CAN_L) |
通信方式 | 非同期・マルチマスタ |
使用例 | 車載ECU、バッテリー管理、工場自動化、医療機器 |
通信速度 | 10kbps〜1Mbps(CAN FDは最大5Mbps以上) |
✅ オシロスコープでCANをデコードするメリット
機能 | 内容 |
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波形+通信内容を同時表示 | 波形の上にID・DATA・CRCなどを自動で重ねて表示 |
トリガ設定が可能 | 特定のID・データ内容・エラーフレームを狙って波形を取得可能 |
通信トラブルの解析 | タイミングズレ・バス衝突・ノイズなどの原因究明に役立つ |
CAN FD対応機種も選べる | 高速通信への対応も拡大中(SENT、LINなども可) |
✅ T&M取扱:CANデコード対応おすすめモデル
製品名 | メーカー | 帯域幅 | チャンネル | CANデコード | その他 |
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SIGLENT SDS1104X-E | SIGLENT | 100MHz | 4ch | オプション対応 | 高コスパ定番。CAN/LIN解析可能 |
SIGLENT SDS2104X Plus | SIGLENT | 500MHz | 4ch | 標準搭載(CAN/LIN/SENT等) | 開発現場でも十分な性能 |
Micsig STO1104C | Micsig | 100MHz | 4ch | CANデコード対応 | タブレット型。現場・教育でも使いやすい |
Micsig MDO5004 | Micsig | 500MHz | 4ch | CAN/CAN FD/SENT | 高速信号+プローブ連携可能な万能モデル |
✅ 使用時に必要なもの(構成例)
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オシロスコープ本体(CANデコード対応モデル)
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差動プローブ(CAN_H / CAN_L の正確な観測に推奨)
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CAN信号源(ECUなど)
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(必要に応じて)CAN FD / LIN / SENT等のデコードライセンス
✅ よくある活用シーン
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自動車部品メーカーでのECU信号解析
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整備学校での車載通信実習
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FA機器・医療機器でのノイズ/通信エラー解析
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EV/BMS評価でのCAN-FDモニタリング
まとめ
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オシロスコープのCANデコード機能は、車載・組込開発に欠かせない通信解析ツール
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T&Mでは、SIGLENT/Micsig各種モデルに対応した構成提案が可能
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CAN FDやLIN、SENT等の複数プロトコルへの対応機種もご案内できます