サブテラヘルツ帯における「ビーム走査アンテナとマルチビームMIMO」の組み合わせは、6G通信で求められる超高速・大容量通信を実現するための最重要技術の一つです。
この技術は、サブテラヘルツ帯(0.1 ~ 0.3THz付近)が持つ広い周波数帯域の利点を最大限に引き出し、同時にその高い伝搬損失(減衰)と直進性という課題を克服するために利用されます。
📡 技術の構成要素
1. サブテラヘルツ帯の利用
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利点: 既存の周波数帯域と比べてはるかに広い帯域幅(数GHz〜数十GHz)を利用できるため、100 Gbps超といった超高速データ伝送が可能になります。
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課題: 波長が短いため、伝搬損失が非常に大きく、また障害物による遮蔽の影響を受けやすい(カバレッジが狭くなる)。
2. ビーム走査(ビームフォーミング)アンテナ
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役割: 複数のアンテナ素子(アレイアンテナ)の信号位相を精密に制御することで、電波のエネルギーを特定の方向に鋭いビームとして集中させます(ビームフォーミング)。さらに、そのビームの向きを電子的に**高速で変更(走査)**できます。
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効果: 伝搬損失を補償するための高い指向性利得を獲得し、限られた電力で通信距離を延ばします。また、移動するユーザーや環境の変化に瞬時に対応してビームを追従させることができます。
3. マルチビームMIMO (Multi-Beam MIMO)
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MIMO(Multiple-Input Multiple-Output): 複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いて、同一の周波数・時間で複数の独立したデータストリームを同時に伝送することで、通信容量(スペクトル効率)を劇的に向上させる技術です。
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マルチビームMIMO: サブテラヘルツ帯では、アンテナを非常に小型化できるため、基地局や端末に超多数のアンテナ素子(Massive MIMO)を搭載できます。
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これにより、複数のビームを生成し、異なる方向の複数のユーザーや、同じユーザーに対する複数の伝送経路へ同時にデータを送受信する**空間多重(Spatial Multiplexing)**が可能となります。
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利点: 伝送容量を飛躍的に高め、かつ電波の干渉を低減できます。
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🎯 サブテラヘルツ帯における連携効果
この三つの要素が連携することで、以下のことが可能になります。
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大容量化の達成: サブテラヘルツ帯の広帯域と、MIMOによる空間多重の相乗効果で、目標とする通信速度を実現します。
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高信頼性の確保: ビーム走査により高いアンテナ利得を得ることで、伝搬損失を克服し、安定した通信リンクを確立します。
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同時接続の実現: マルチビームで複数のユーザー端末を同時に個別のビームでカバーでき、より多くの機器を収容できます。
特にサブテラヘルツ帯では、アンテナ素子の間隔を短く保ったまま大規模なアレイを構成することが容易なため、**大規模MIMO(Massive MIMO)**の恩恵を最大限に受けることができます。この技術は、6Gにおけるテラヘルツ帯(サブテラヘルツ帯)通信の実用化に不可欠なものと見なされています。
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