デジタル・オシロスコープとは?
デジタル・オシロスコープとは、時間的に変化する電気信号をデジタル的に取り込み、画面上に波形として表示・解析するための電子計測器です。
従来のアナログ・オシロスコープと比べ、高精度・多機能・波形の保存や解析が容易といった特長があり、現在では電子回路設計、通信、電源開発、教育機関など幅広い分野で標準的に使用されています。
主な特徴
特徴 | 内容 |
---|---|
デジタルサンプリング | アナログ信号を高速で取り込み、数値データとして保存・処理 |
高分解能 | 8ビット~12ビット以上のADCにより、細かな信号変化も高精度に表示可能 |
記録・解析機能 | 波形データの保存、演算処理、FFT解析、プロトコル解析などが可能 |
多チャンネル | 2ch、4chなど複数信号を同時に観測可能 |
インターフェース充実 | USB / LAN / Wi-FiなどでPC接続・遠隔操作・クラウド保存にも対応 |
代表的な用途
-
電子回路の開発・動作確認
-
電源・インバータ・モーターの波形観測
-
シリアル通信(I2C、SPI、CANなど)のプロトコル解析
-
ノイズ解析や過渡現象の観察
-
教育現場での実験・実習
オシロスコープの基本仕様と選び方のポイント
項目 | 説明 |
---|---|
帯域幅 | 観測したい信号の5倍程度の周波数をカバーするものが望ましい(例:100MHz帯域で10MHz信号測定) |
サンプリングレート | 信号波形の精度に関わる。1GSa/s以上が一般的 |
チャンネル数 | 2chまたは4chが主流。複雑な波形比較には4chが便利 |
メモリ深度 | 長時間記録や高解像度保存に重要。数10Mpts以上であれば安心 |
解析機能 | FFT、カーソル測定、トリガ機能、プロトコルデコードなど |
T&Mコーポレーション取扱のデジタル・オシロスコープ(例)
メーカー | 製品例 | 特長 |
---|---|---|
Micsig | TO1104 / STO1104C | タッチ操作対応タブレット型。教育・開発に最適。 |
SIGLENT | SDS2000X Plus / SDS3000X HD | 12ビット高分解能。開発・評価用途に人気。 |
OWON | SDS1102 / HDS2102S | 入門・持ち運び用。コストパフォーマンスに優れる。 |
アナログ・オシロスコープとの違い
比較項目 | デジタル・オシロスコープ | アナログ・オシロスコープ |
---|---|---|
操作性 | ボタン・タッチ・PC操作対応 | ノブ操作のみ |
波形記録 | 可能(内蔵/USB/PC保存) | 不可(画面表示のみ) |
解析機能 | 豊富(FFT、測定演算など) | 基本的に非搭載 |
精度・機能 | 高機能・多チャンネル化可能 | 限界あり |
まとめ
デジタル・オシロスコープは、現代の電子回路設計に欠かせない必須ツールです。
用途に応じて、帯域・チャンネル数・操作性・解析機能などを比較し、自分に合った1台を選ぶことが重要です。
T&Mコーポレーションでは、教育向けから研究開発・高周波用途まで、豊富なラインナップを取り揃えております。
製品選定やデモ機貸出についてもお気軽にご相談ください。